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袴田巌さん追ったドキュメンタリー映画 10月19日から公開 心の内面深くに迫る

スポニチアネックス 2024年8月21日 13時1分

 1966年6月に静岡県清水市(現・静岡市清水区)でみそ製造会社の専務一家4人が殺害され、放火された事件の犯人とされ、47年7カ月もの獄中生活を送ってきた袴田巌さんを追ったドキュメンタリー映画「拳(けん)と祈り ―袴田巌の生涯―」(監督笠井千晶)が10月19日から、東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開されることが決まった。あわせて、袴田さんが背中で物語る後ろ姿のキービジュアルも解禁となった。

 死刑が確定しながらも一貫して無実を訴えていた元ボクサー袴田さんの保釈が認められたのは2014年3月27日。それからちょうど10年の節目となる9月26日に再審=やり直し裁判=の判決が下されるが、22年間にわたって袴田さんを追い続けてきた笠井監督はその判決を見届けた上で観客に届ける。

 再審は5月22日に静岡地方裁判所で検察による求刑と弁護団の最終弁論が行われて結審。「1年以上みそに漬けられた衣類の血痕に赤みが残るか残らないか」が最大の争点となったが、「残る可能性あり」として検察は改めて死刑を求刑。対して弁護団は「専門家による鑑定などで残ることはないことが明らかになった」と無罪を主張した。

 審理の最後には、袴田さんの姉のひで子さんが「私も91歳、弟も88歳でございます。余命いくばくもない人生かと思いますが、弟、巌を人間らしく過ごさせてくださいますようお願い申し上げます」と訴えた。

 撮影、編集も担当した笠井監督のカメラは釈放された後の姉と弟の生活を克明に記録し、重ねた対話も通して袴田さんの心の内面深くに迫っていく。

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