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西田五段 藤井王将への挑決リーグ初参戦決定 故村山九段以来32年ぶり、1次予選から挑戦権獲得なるか

スポニチアネックス 2024年8月22日 19時22分

 ALSOK杯第74期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)2次予選決勝が22日、大阪・関西将棋会館で指され、西田拓也五段(32)が高田明浩五段(22)に110手で勝利した。西田は藤井聡太王将(22)=7冠=への挑戦権を争う挑戦者決定リーグ初参戦を決めた。

 振り駒の結果、先手は高田になり、戦型は振り飛車党・西田の四間飛車になった。33手目、高田が▲3三角成と角交換へ踏み込み、39手目▲2二歩。桂得を確定すると、西田も42手目△2五歩、△2六歩と代償を求めて歩を進めた。

 それに対して高田は、歩成りを防ぐ45手目▲1八角、さらに▲2八銀。西田は頑強な受けに遭ったが、62手目△4五飛と飛車角交換を挑んで攻勢に入った。入手した飛車を88手目△4九飛と打ち下ろし、3九銀を確保。「銀を取って面白くなったかなと思った」とようやく手応えを感じたそうだ。

 両者は森信雄七段門下の兄弟弟子。歴代最多13人の棋士を輩出した名門だ。松山ケンイチ主演で映画化もされた小説「聖の青春」の主人公・故村山聖九段の弟弟子に当たる。

 挑戦者決定リーグは棋士7人が総当たりで6局ずつ指し、1人が挑戦、3人が残留、3人が陥落する。その難関リーグを1次予選から勝ち上がって挑戦権まで獲得したのは故村山九段以降いない。

 第42期、7番勝負では当時の谷川浩司王将に挑んで0勝4敗だった。今期1次予選で4連勝、2次予選3連勝した同門の西田には、32年ぶりの躍進が期待される。

 「まずはどれだけ自分の力が通用するか、気になる。トップの人ばかりのところへ入るのは初めてなので、一生懸命頑張りたい」

 控えめに意気込みを語った西田。リーグでは前期挑戦者の菅井竜也八段(32)に続く振り飛車党が、大舞台で披露する技に磨きをかけていく。なお、リーグ入りの残り2枠は広瀬章人九段(37)―斎藤慎太郎八段(31)、佐々木勇気八段(30)―梶浦宏孝七段(29)によって争われる。

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