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土居志央梨「虎に翼」男装よね役で新境地&転機「いつも心の中によねを」ブレイクも「気が引き締まる思い」

スポニチアネックス 2024年8月23日 12時2分

 ◇「虎に翼」山田よね役・土居志央梨インタビュー(3)

 NHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)で飛躍を遂げた1人が、主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)の盟友・山田よね役を好演中の女優・土居志央梨(32)。大学在学中から映画や舞台に出演し、実力派として知られたが、男装姿も話題を集めた今作で一躍ブレイク。その存在感はお茶の間にも浸透した。土居に今作への思いを聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。

 土居は3歳からクラシック・バレエを習い始め、高校卒業までバレエ団本公演にも出演。京都造形芸術大学(映画学科俳優コース)在学中、「私立探偵 濱マイク」シリーズでおなじみの林海象監督の「彌勒 MIROKU」(13年10月公開)で映画デビュー。鬼才・岩松了氏作・演出の舞台「泡―流れつくガレキに語りかけたこと」(13年2月)などにも出演。15年に大学を卒業し、上京。本格的に活動を開始した。

 朝ドラ出演は、20年度後期「おちょやん」以来3年半ぶり2回目。今回演じるよねは、寅子と同期の明律大学女子部2期生。貧しい農家に生まれ、姉が置屋に売られるなど苛烈な過去を持ち「今の私のまま、舐め腐った奴らを叩きのめすことができる力が欲しい」と猛勉強し、女子部に進んだ。

 己を貫く性格ゆえ、高等試験に連敗。先に弁護士になった寅子が勤める雲野法律事務所を手伝うが、寅子の妊娠・辞職を機に袂を分かつ。戦後、復員した轟太一(戸塚純貴)と運命的な再会を果たし、一緒に法律事務所を開設。戦災孤児らに手を差し伸べた。裁判官になった寅子とは6年ぶりの再会を果たした(第56回、6月17日)。

 新潟地家裁三条支部へ異動した寅子が3年の任期を終え、1955年(昭和30年)、東京に戻ると、よねは1937年(昭和12年)の高等試験初挑戦(第26回、5月6日)から18年、ついに弁護士資格取得の夢を叶えた(第97回、8月13日)。

 そして、雲野六郎(塚地武雅)からの依頼を即決し「原爆裁判」を手伝うことに。結審はまだ先だが、弁護士・よねの奮闘が注目される。

 第2週からレギュラー出演し、存在感。理不尽な社会への怒りや雑草魂をエネルギーに、声を上げ続ける。寅子を叱れる貴重な存在で、男装姿や轟とのコンビも注目され、人気キャラクターの1人になった。

 「今まで割とフェミニンな役が多かった」という土居にとっても新たな挑戦、新境地開拓となる当たり役に。「長丁場なので大変なこともありますけど、それも含めて、1つの役をこれだけ長く演じられる楽しさを実感しています」と貴重な時間を過ごしている。

 まだ放送は終わっていないものの「私のキャリアにおいても1つのターニングポイントといいますか、非常に大きな作品になる感じがします。このタイミングで『虎に翼』という作品に出会えて、よねという人を演じられたことは、今後、私が人生を送る上で、仕事をしていく上で勇気になるんじゃないかと思います。弱気になった時は『虎に翼』を思い出して、よねの力を借りればいい。心の中に、いつもよねを住まわせていたいですね」。一際愛着のある“宝物”と位置づけた。

 「20代の頃は猪突猛進といいますか、視野が狭くなってしまっていた部分もあったと思います。30代になって、自分の中にも少し余裕が生まれて、周りが見えるようになってきたタイミングで今回のお話を頂いたので、より現場を楽しめているのかなと。もし20代の私だったら、よねのことを俯瞰して演じられず、のめり込みすぎて混乱していたかもしれません。そういう意味でも『虎に翼』とよねには凄く縁を感じています」

 知名度アップやブレイクに関しては「たくさんのメッセージやファンレター、反響を頂いて、本当にありがたいですし、うれしい限りなんですけど、その分、ますますちゃんとお芝居と向き合わなきゃ、と気が引き締まる思いです」。“よねという翼”を得て、さらに大空へ羽ばたく。

 =インタビューおわり=

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