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DeNA・吉野 ダブルおめでた!プロ初勝利&元日婚「うれしいですっ!」記念球はトレーナーに

スポニチアネックス 2024年8月24日 4時3分

 ◇セ・リーグ DeNA5-2ヤクルト(2024年8月23日 神宮)

 ダブルの「おめでた」だ。DeNAの吉野光樹投手(26)が23日、うれしいプロ初勝利を挙げた。ヤクルト戦に先発し、5回5安打2失点。プロ3度目の先発で1勝目をつかんだ。上武大、トヨタ自動車を経て、22年ドラフト2位で入団。即戦力として期待された昨季は故障で棒に振ったが、大事な終盤戦に大きな一歩目をしるした。また、今年1月1日には九州学院(熊本)時代の同級生と結婚していたことも明らかになった。

 冷静に試合を見守っていた吉野の表情が、勝利の瞬間一気に崩れた。三度目の正直でプロ初勝利。「救援の方が絶対抑えてくれると安心していました。前半は危なげだったけど4、5回の投球で流れがつくれた。うれしいですっ!」。最高の笑顔が広がった。

 7月13日の巨人戦でのプロ初登板初先発から3戦目。過去2戦は全て初回の失点でリズムを失っていた。その初回、先頭の長岡に右前打を浴び、1死一、二塁とされ4番村上と対峙(たいじ)した。4球目の直球で一ゴロに斬ると、続く宮本を直球で見逃し三振として無失点で切り抜けた。

 「ムネとの対戦は楽しかった」。九州学院(熊本)の1学年後輩で、高校時代は捕手だった村上とはバッテリーも組んだ。プロ入り後も「ムネとの対戦は運命」とどんな質問も受け入れ、初対戦の時を待っていた。続く0―1の3回2死二塁では、フォークとともに自信を持つ縦のカーブを決め球に投じたが、左前へ適時打にされた。

 「さすがジャパンの4番。あの球を打たれるなんて」。それでも「運命」の対戦に気持ちをたぎらせ、140キロ台後半の直球を軸に5回2失点でようやく一歩目を踏み出した。即戦力として期待され22年ドラフト2位で指名された。だが、入団時から右肘に違和感が生じており、その影響で投球フォームが崩れ腰を疲労骨折。新人年の昨季を棒に振った。98年生まれの同学年・牧と2軍練習施設で顔を合わせると、「1軍で通用する投球ってどんな感じ?」と質問するなど、1軍の戦力になるためのイメージトレーニングを続けた。

 ウイニングボールは、世話になったトレーナー陣に渡すつもりだ。チームはまだ3位阪神と3・5ゲーム差の4位。「この1勝で気持ちも変わると思うし、自信にしてもらいたい」と三浦監督。船出が1年遅れた吉野は、救世主としての期待が高まる。「即戦力と言われ入ってきてリハビリが続いた。ここから状態を上げます!」。その頼もしい背中を、左翼席からの「次も頼むぞ吉野」の終わらないコールが後押ししていた。(大木 穂高)

 ◆吉野 光樹(よしの・てるき)1998年(平10)7月19日生まれ、熊本県出身の26歳。九州学院から上武大に進み、関甲新リーグ2年秋、3年春に最多勝。トヨタ自動車では、2年目の22年都市対抗予選で自己最速150キロを計測した。同年ドラフト2位でDeNA入団。昨季までは1軍は登板なく、今季7月13日の巨人戦でプロ初登板初先発。1メートル76、78キロ。右投げ右打ち。

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