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【甲子園】京都国際・藤本陽毅主将 “連れてきてもらった”仲間への感謝が責任感に

スポニチアネックス 2024年8月24日 5時3分

 ◇第106回全国高校野球選手権 決勝 京都国際2-1関東第一(2024年8月23日 甲子園)

 【君に金メダル】全てが報われた。京都国際の主将・藤本陽毅は昨年9月末に「ウイルス性肝炎」を患い、約1カ月間入院。さらに1カ月、地元・福岡で療養し、昨秋はほとんど野球ができなかった。夢がかなった瞬間、真っ先に去来したのは、仲間への感謝の思いだった。

 「自分は甲子園に連れて行ってもらった。病気で離脱した時もあったし、今日の試合もみんなに助けてもらって優勝できました」

 昨秋はボールボーイを務めるのがやっとだったが、今春の選抜のメンバーに選ばれた。「何もしてないのに出場させてもらって…。もう1度責任持ってやろうと。病気がきっかけで僕も変わらないといけないと思った」。選抜後には中崎に代わり「ちょっと嫌な気持ちはあったけど、僕がしないといけない」と主将を引き受けた。

 決勝戦では珍しく失策や走塁ミスをした。もちろん、病気を乗り越えて人一倍努力してきた姿を知る仲間は、誰もとがめない。「本当にみんな助け合って、束になって。このチームは最高だなと」。主将就任後、公式戦全勝で頂点まで駆け抜けた。 (山添 晴治)

 ◇藤本 陽毅(ふじもと・はるき)2007年(平19年)1月27日生まれ、福岡県出身の17歳。小学1年で雁ノ巣ゴールデンフューチャーズで野球を始め、投手として4年時に県大会優勝。中学時代は糸島ボーイズに所属。プロ野球選手になるため志願して京都国際に入学し、1年夏から遊撃手でベンチ入り。1メートル70、70キロ。右投げ右打ち。

 ≪応援席も興奮≫

 京都国際の三塁側アルプス応援団席では、同校の李隆男(イ・ユンナム)理事長、白承桓(ペク・スンファン)校長ら関係者も声援を送った。李理事長は「優勝とは感無量です。選手を褒めてあげてください。中崎君の投球に3年生の意地を見ましたね」とナインを称えた。全校生徒138人の小さな私立高の野球部が頂点に立ったことで、赤が基調の応援席のボルテージは上がりっぱなしだった。

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