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元AKB48内田眞由美 新たな試み「ライブと肉」

スポニチアネックス 2024年8月24日 9時9分

 【牧 元一の孤人焦点】元AKB48の内田眞由美(30)がオーナーを務める焼き肉店「IWA」(東京都新宿区)が開店10周年を迎え、新たな試み「ライブと肉」をスタートさせる。

 営業中の店内で客に生演奏と歌唱を聞いてもらう試みで、内田は「月に1回はやっていこうと考えています。私自身が音楽が好き。食事と同時に楽しむと癒やしになる。うちの店は最近、海外からのお客さんが増えているのですが、音楽は世界に通じるコミュニケーションツールでもあります」と話す。

 初ライブは8月25日夜。「IWA」で働くシンガー・ソングライターの杏斉ゆかがギターの生伴奏でオリジナル曲やカバー曲を歌う。ミュージックチャージ3000円で、入店は予約者優先となる。

 内田は「ゆくゆくはいろんな人に出てもらいたい。元AKBの子が『ちょっと歌いたい』と思った時、ライブができるようになればいいと思っています」と語る。

 この10年、オーナーとしての道のりは決して平坦ではなかった。開店のために5000万円もの借金を抱え、コロナ禍には経営困難に陥り、一度は閉店を決意した。

 「ここまで続けて来たのは、私が負けず嫌いの性格だったからだと思います。経営は苦しいけれど中途半端な形で終わりたくないという気持ちがありました。でも、やはり、ここまで続けて来られたのは、周りに人がいてくれたからだと思います。私を叱ってくれる母がいて、働いてくれる従業員がいて、励ましてくれるお客さんがいて、頑張らなければ…と思いました。私は自分を逃げられない状況に持って行くのが好きなのかもしれません。逃げ方が分からないというのもありますが(笑)」

 14歳でAKBに加入。16歳の時に「じゃんけん大会」で優勝し、センターを獲得。20歳の時、現役メンバーでありながら店をオープンした。

 「AKB時代、一番つらかったのは、序列を作られたことです。努力とは別に、順位、立ち位置が決められてしまっていた。いつも人と比べられている。それを見られている。特殊な環境でした。途中でやめてしまった同期の子はプライベートをエンジョイしていて『眞由美もやめちゃいなよ』と言う。地元の友だちはアルバイトをして食事に行ったり買い物をしたりして楽しんでいる。でも、私は毎日、学校が終わればレッスンで、遊ぶ時間もお金もありませんでした。AKBをやめようと思ったことは何度もあります」

 店が閉店の危機に陥った時、自らを奮い立たすことができたのは、AKB時代に培われた精神力のたまものに違いない。

 「あの頃、精神力は鍛えられたと思います。悔しさをバネにすることができる。でも、この10年間、私の中身はあまり変わっていなくて、ベースには『楽しくやれている』という思いがあります」

 10周年に際しては記念として客のアンケートを基に新メニュー「冷麺 和風しょうゆ味」も誕生させた。トッピングはスイカ、白髪ネギ、ゆで卵、味付けしたキュウリ、キムチ。味は自ら3週間の試行錯誤を経て調整した。

 「時代の変化に店を調和させていきたい。AKBを知らない人も気軽に来られる店にしていきたいと思っています」

 新たな試み「ライブと肉」もそんな思いから生まれたものだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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