俳優の浅野忠信(50)が24日、都内で行われた映画「箱男」公開記念舞台あいさつ(監督・石井岳龍、公開中)に、主演の永瀬正敏らと出席。撮影中の裏側を語った。
3月に生誕100年を迎えた作家・安部公房の同名小説を映画化した本作。同作のメガホンを取った石井氏は32年前に、安部本人と会い映画化を約束。97年に永瀬主演で制作が決まっていた。ところが、撮影前日に頓挫。前日23日に27年越しの全国公開を迎えた。
街中で段ボールを頭からすっぽりと被り、世界をのぞき見る“箱男”を演じるのは「凄く暑かった」と永瀬。他キャストも現場で“箱男化”しては作品の世界感を楽しんでいたようで「浅野君はパンイチで入ってた」と明かした。
段ボールをかぶると「皆さんが存在を忘れてくれる」と浅野。「準備や問題で撮影が始まらないと普段は“浅野さん待ってください”と言われるんですけど、忘れられてますから何も言われない。“あっついな~”と思っても、(箱を)脱いだら仕事戻らないといけない」と箱の中で葛藤していたという。
「みんな凄い仕事してるな~」と普段とは異なる視点で現場を観察。「誰にも相手にされない」時間が「気持ちよくなった」と振り返った。