Infoseek 楽天

「光る君へ」吉高由里子「ワクワク」書と成長&格闘「怯えながら」物語の序盤と最新話でまひろの字が変化

スポニチアネックス 2024年8月25日 20時45分

 NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)は25日、第32話「誰がために書く」が放送され、まひろは宮中に出仕した。いよいよ紫式部としての人生がスタートする。知的で好奇心旺盛なまひろを好演している吉高由里子(36)は、「第2章が始まった」と胸を高鳴らせた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演となる。

 今作の制作発表がされてから早2年3カ月。吉高は「1つの作品にこれだけ長く携わることはない。生まれて初めての経験は大人になってからはなかなか出合えない。初めての一歩を今も継続中の日々」と充実感をにじませた。

 最も成長を感じることに「書」を挙げた。今作は紫式部が主人公の作品とあって、書道シーンが盛りだくさん。左利きの吉高は、クランクインの半年前から右手での書を稽古した。「今は左手で筆は無理だと思います。書はこの役をやる醍醐味。10代の頃のようなできないものができていく成長を30代半ばで経験できると思っていなかったので凄くワクワクする。ただ、それを本番でやらないといけないので怯えながらやっています」。撮影の緊張感の中、手の震えや筆の傾きなどと格闘している。

 現在ではあまり使われていない「変体仮名」を読めるほど仮名文字をマスターしたという。物語の序盤と最新話で字が変化していることからも上達ぶりが伺える。「“役と一緒に吉高も成長した”と言われている。向き合う時間だけ応えてくれるものだと思いました」と、手応えを口にした。

 第31話「月の下で」(8月18日放送)で、ついに「源氏物語」を書き始める。ある日、書きあぐねていたまひろの頭上に色とりどりの言の葉がハラハラと舞い散る。次の瞬間、まひろは真剣な眼差しで筆を執った。「源氏物語」のアイデアが「降ってくる」瞬間が、美しく幻想的に描かれた。

 「書きたい気持ちと書きたいものがバチっと出合った。まひろさんは猪突猛進型の人間。物語がわーって頭の中で走っていったんじゃないかな」。このシーンの撮影を「何時間でもやっていいくらい“もう前半が終わっちゃうんだ”という気持ちになった」と感慨深げに振り返った。

 宮中に出仕するにあたり父・藤原為時(岸谷五朗)からは「お前が女(おなご)であって良かった」と言葉をかけられる。「一番認めてもらいたい人にやっと認められた。生まれてきて良かったと思えた瞬間なんじゃないかな」。まひろはそれまで何度も父から「男だったら…」と言われてきた。吉高は興味あることにまい進するまひろの生き方について「自分を見ているよう。結婚していないから幸せじゃないとか、結婚しているから幸せという考えにとらわれない。仕事が楽しいし、そこに居場所があるからかもしれない」と、自身を重ねた。

 また、娘・賢子(福元愛悠)との関係について「仲良い親子じゃないのがすごくリアル。私は母親になったことがないので母親役は難しい。探り探りやっています」と明かした。

 来週放送の第33話「式部誕生」から作家としての人生が本格スタートする。雅で華やかな藤壺に舞台を移す。「風景がガラッと変わったので、自分で用意せずとも第2章に押し出された感じがしました」と語った。

 「蒔いた種がここから1つ1つ花を咲かせていく」。ドラマの中で散りばめられてきたエピソードが「源氏物語」につながる。喜び、悲しみ、嫉妬…。まひろはこれまで経験した様々な感情を昇華させ奥行ある文学を紡いでいく。「1冊の本ができるまでの過程を本当に丁寧に丁寧に時間をかけて撮った」と胸を張った。吉高演じるまひろの第2章に目が離せない。

この記事の関連ニュース