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巨人・坂本 同世代の中日・大野から意地のV弾!セ60勝一番乗りで首位・広島に1差

スポニチアネックス 2024年8月26日 5時33分

 ◇セ・リーグ 巨人2-0中日(2024年8月25日 東京D)

 巨人の坂本勇人内野手(35)が中日戦の7回に左翼席に決勝の5号2ラン。同じ「88年世代」で、打線が6回まで無安打と圧倒されていた左腕・大野雄大投手(35)から快音を響かせ、チームをカード勝ち越しに導いた。首位の広島が敗れたため、1ゲーム差に接近。逆転でのリーグ優勝を狙い、これからもナイン一丸で白星を積み重ねていく。

 勝利への思いが叫びとなった。「いけぇ!」。坂本が放った打球の着弾点は左翼席だ。6月14日の日本ハム戦以来、2カ月ぶりの一発。息詰まる投手戦の均衡を破る一撃を見舞い、ベンチで笑顔の菅野とハイタッチした。

 「(先発の菅野)智之が頑張っていたので、打ちたかった。今年はフェンス手前で失速することが多い。何とかいってくれと思いながら走っていました」

 相手の先発左腕・大野に打線は6回まで無安打。自身も2打席凡退した。7回は先頭のモンテスがチーム初安打となる中前打で出塁。1死一塁で打席が巡り、初球の内角直球を捉えた。凡退した2打席は左足を大きく上げていたが、この試合で初めて走者ありで迎えた打席で「クイックなので」とすり足気味に変えて対応。決勝の5号2ランで菅野に12勝目もプレゼントした。

 同じ88年生まれで公私で仲がいい大野からは4年ぶり5本目の一発。昨年に左肘を手術した左腕とは昨オフにテレビ番組の企画で同学年の梶谷、広島・秋山らと三浦半島へ1泊2日の旅に出かけた。チームは違えど実力を認め合い、本音を語れる仲。「彼もケガで苦しんでいる姿を見ている。今日の投球を目の前で見て何も感じないことはない」と奮い立ち、力勝負に勝った。

 不振による2軍調整を経て7月中旬に1軍復帰も調子は上がらず。今月上旬の東京ドームでの試合前には資料室に足を運んだ。40本塁打を放った19年を中心に動画を見て復調のきっかけを探った。打率・238と低迷しているが、野球と向き合い、試行錯誤を続ける姿は若手の手本でもある。坂本の一発も含めわずか2安打で勝利し首位・広島と1ゲーム差とした阿部監督は「開き直って1、2の3でいった」と称えた。

 お立ち台で坂本は「絶対、優勝できるように頑張ります」と言った。残り28試合。ファンとの約束は守る。(青森 正宣)

 ≪巨人82年ぶり同一シーズン複数回2安打以下勝利≫この日2安打の巨人が坂本の2ランで勝利。今季2安打以下の勝利は4月25日中日戦(2安打=坂本逆転3ラン)に次いでチーム2度目。巨人が同一シーズンで複数回2安打以下で勝ったのは1リーグ時代の42年(3度)以来82年ぶり2度目で2リーグ制後では初。前回は9月13日朝日戦、11月3日大洋戦でいずれも呉波(のちの呉昌征)がV打を放ったが中前打と左翼線二塁打。V弾2本は坂本が球団史上初めてだ。

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