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女子ゴルフ 日本勢躍進の理由 19年渋野の全英Vで“意識改革”

スポニチアネックス 2024年8月27日 4時47分

 ◇米女子ゴルフツアー AIG全英女子オープン最終日(2024年8月25日 セントアンドリュース・オールドコース=6784ヤード、パー72)

 10位から72で回った西郷真央(22=島津製作所)と69と伸ばした岩井明愛(22=Honda)が通算2アンダーの7位に入り、今季メジャー最終戦を終えた。5大大会での日本人優勝者2人は国別で最多。また、日本勢の出場人数、予選通過者、トップ10入りは過去最多となり、全5試合でのトップ10入りも初めてとなった。世界最高峰の舞台での躍進の理由に今季、メジャー2戦を現地で取材した本紙記者が迫った。

 聖地セントアンドリュースには、ゴルフの総本山(R&A)の博物館が併設されている。歴史ある品々とともに、19年に全英女子オープンを制した渋野日向子のクラブや優勝時のスコアカードが展示されていた。女子選手に目標を聞くと、多くの選手から「メジャーに出たい」ではなく「メジャーで勝ちたい」という言葉が返ってくる。渋野の姿をきっかけに「私も」というタイトルに対する意識の変革。これが大きな要素の一つだと感じる。

 もちろん、意識だけで結果は出ない。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は、「世界で勝つ!」をテーマに積極的に海外挑戦を促している。以前、同協会の小林浩美会長から、看板選手流出は空洞化の危機ではなく、むしろ「好循環のきっかけ」であると聞いたことがある。

 米ツアー勢だけでなく、日本ツアー勢も同じ。数年前まで海外で獲得した賞金は日本ツアーに加算されなかったため、泣く泣くメジャー出場を断念するケースもあった。だが、ポイント制に移行した22年からメジャーでは国内メジャーの2倍のポイントが加わるようになり、スポット参戦するメリットが大きくなった。結果、今大会は国別で米国の25人に次ぐ2番目の19人も出場。国内メジャーに強い出場義務があり、15人(日本を主戦場とする申ジエを含む)にとどまった韓国とは対照的だった。

 4日間大会増、セッティングの多様化などツアー強化策と相まって、着実に結果が出てきている。今季から米ツアーを主戦場にする西郷の言葉が象徴的だった。4日間、上位争いに加わり、こう言った。「メジャー優勝への“壁”は、遠くは感じない」。(ゴルフ担当・中村 文香)

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