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北村弁護士 パリ五輪辞退の体操・宮田笙子を「法の立場」で見解 「その通り」「一理あるが…」賛否

スポニチアネックス 2024年8月28日 11時29分

 弁護士の北村晴男氏(68)が、27日までに公式YouTubeチャンネルを更新。体操女子でパリ五輪代表の宮田笙子(19=順大)が、飲酒、喫煙を認めて代表を辞退した件について、持論を展開した。

 世間の関心が高い出来事を、法的観点から分かりやすく解説することで人気を博している北村弁護士のYouTubeチャンネル。この日は「【喫煙・飲酒でパリ五輪辞退】宮田笙子選手への判断は厳しすぎるのか?」と題し、視聴者から寄せられた宮田に関する質問を取り上げた。

 体操ファンだというこの相談者は「活躍を期待していただけに非常に残念でした」といい、「体操協会の“辞退”という判断は重すぎるのではないか?」と疑問視。「どう思われますか?」という相談内容だった。

 北村氏は「大賛成です」と深くうなずき、「重すぎるなんてもんじゃありません」と主張。自身が大学生だった頃は、大学に入った瞬間に酒・たばこを始めてもとがめるものはいなかったといい、「いい悪いではなく、事実としてそうだった」と説明し「偉そうに政治家をやっていたり、偉そうに裁判官やっていたり、警察官をやっていたり、大学教授をやっているその大部分が、大学生になったらお酒・たばこOKだよねと、たしなんでいたはずです」と指摘。「聞くところによると、昭和の時代だけでなく、平成も令和の時代も大学生になって興味本位でほとんどの人がタバコを吸い酒を飲んで大騒ぎしているというのが実態のようです」とし、「そうすると、宮田さんを“法律に違反したからけしからん”といって非難できるひとが、どれだけこの世にいるのでしょうか」と疑問視した。

 一方で、法律違反の事実はあるとし、法的な立場からこの問題を分析。「法律の世界では、違法の程度と処罰・制裁の程度は比例しなきゃいけない。違反に見合った制裁をする」と説明し、「だから殺人なら死刑もありうる」と吐露。「微罪であれば、それなりの処分を。法律の世界では、バランスが大事」と主張した。

 そのため、宮田の場合に「ふさわしい制裁」として「謝罪してもらう、反省文を出してもらう、あるいはオリンピック後にどこかのボランティアに行って反省してもらう」など列挙。「その辺がバランスの取れた制裁」とした。

 パリ五輪辞退という処分については、宮田に責任を負わせたことに関して「19歳の少女を預かって、育てている教育者の在り方ではない」と指摘。「ルールを守るように一生懸命指導することも大事。そのルールにわずかに違反した場合には十分指導して、理由をきちんと説明してわじゃってもらうようにするのが体操協会のすべきこと」と私見を述べた。

 続けて「長年あらゆることを犠牲にして打ち込んできたスポーツ選手から、最高の舞台を奪うなんでことは、無慈悲、非道、とんでもないなと思っています」と持論を展開。「われわれはオリンピックを見て感動をもらってますけど、食べたいものを食べ、酒を飲み、ただ見ている我々がですよ、それとは正反対に食べたいものを食べず飲みたいものも我慢して、遊びたいことも我慢して、あらゆることを犠牲にして打ち込んでいるアスリートに対する敬意を持つべきじゃないかなと思います」とまとめた。

 この投稿には「さすがは北村先、なんという素晴らしい解説、説得力」「体操協会はなんで宮田選手を守ってやらなかったのだろうという憤りを感じました。厳しい練習に耐え日本チームのリーダーとなった選手に対してあまりにも無慈悲な措置だと思います」「罪と罰が比例しなければならないというのは同意」と、賛同の声も。

 一方で「ダメなのものはダメでしょ!増して、オリンピック選手ともなれば、日本を代表する訳ですから」「前例が出来たので、これからの選手は喫煙も飲酒も出来ない」「北村先生の言う事も一理あるけど私は宮田選手の出場辞退については致し方ないと思いますけどね」という意見など、さまざまなコメントが寄せられた。

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