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五輪選手も大舞台で示したマインド 今の阪神に一番必要なのは「諦めない」気持ちかもしれない

スポニチアネックス 2024年8月29日 8時2分

 ◇セ・リーグ 阪神2ー3DeNA(2024年8月28日 横浜)

 【畑野理之の談々畑】非常に厳しくなった。広島も巨人も勝って、阪神の一人負け。ゲーム差は再び5に開いた。それどころか4位のDeNAにも1・5差まで迫られた。「まだ24試合ある」と思うようにしていたが、「もう24試合しかない」と意識しないといけなくなった。

 試合は、引き締まった好ゲームだった。この日から4番に戻った大山悠輔が初回に右前適時打を放ち先制も、6回に相手4番のタイラー・オースティンが決勝弾。井上広大のプロ1号もあり、ぜひ白星で飾ってあげたかった。両チームとも与四死球は0。失策こそ一つずつあったものの、失点には絡まなかった。

 この日の昼、阪神OBの鳥谷敬氏が大阪・梅田の阪神百貨店で今成亮太氏とともに出演した「タイガースショップリニューアルイベント&トークショー」で、阪神の逆転連覇の可能性を「現時点では45%」と話した。

 夜にはさらにゲーム差が開く前だったとはいえ、広島と巨人よりも可能性はあるとした。場所柄、イベントの趣旨もあり、かなり後輩たちへの期待とエールを込めた数字だと思うが、まだ可能性がある限りは最後まで諦めるべきではないというメッセージにも聞こえた。

 パリ五輪のスケートボード男子ストリートでは堀米雄斗が決勝の5本目で高スコアを叩きだして7位から大逆転。東京五輪に続く連覇を達成した。4本目を滑り終えた後に自身のXに「可能性が1%もあるなら」と投稿。金メダルは奇跡に近い状況でも、ラスト1本にかける意気込みを「1%“しか”」ではなく「1%“も”」と記していたのが話題となった。世界の頂点に立つアスリートのマインドってこうなんだと驚いた。

 プロ野球と五輪という舞台も違えば、競技も違う。5ゲーム差とスケートボードの得点差のどちらが逆転には難しいのかも比べようもないが、いまの阪神選手に必要なのはこの諦めない気持ちかもしれない。絶対に連覇したいという気持ち。堀米選手も3年間、「連覇」へ向かって鍛錬したと思う。阪神もこの1年間の目標はその2文字だった。可能性はゼロではない。この試合は惜敗だったが必死さは伝わった。最後の最後までこのような戦いを続けるしかない。

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