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「めっちゃ遠くに見える…」東海大相模の夏の終わり U18のエース、マネジャー…それぞれの夢へ―

スポニチアネックス 2024年8月29日 23時51分

 ◇侍ジャパンU18壮行試合 高校日本代表1―7大学日本代表(2024年8月28日 ほっともっと神戸)

 9月2日から台湾で開催される「第13回BFA U18アジア選手権」に出場する高校日本代表は28日、大学日本代表との壮行試合(ほっと神戸)に臨み、1―7で敗れた。今夏の甲子園大会で8強入りした東海大相模(神奈川)のエース左腕で身長1メートル98の藤田琉生投手(3年)は6回途中から4番手で登板。1回1/3を3失点だったが、自己最速を1キロ更新する大台の150キロをマークした。

 今春までは平均球速が140キロ前半だった藤田は急成長で今夏、東海大相模を5年ぶりの夏の甲子園出場に導いた。

 マネジャー、記録員として支えてきた岡村日和さん(3年)はこの日、小学生の弟とともに三塁側内野席で観戦。三重に帰省中だったが、「藤田が投げるって聞いたので」と3時間30分もかけて駆けつけた。大学生相手に限界を超える150キロをマークしたエースに「あんなに近くにいた藤田がめっちゃ遠くにいる存在に見える。改めて凄いなって感じました」。トレードマークの笑顔を咲かせた。

 高校最後の夏、忘れられない夏になった。岡村マネジャーは、当時中3だった21年の選抜大会で東海大相模が日本一に輝き、強い憧れを抱いた。三重から越境入学し「タテジマ」の一員に。原監督からチームへの貢献度を認められ今春から公式戦のベンチ入り。今夏の甲子園では東海大相模の女子部員では初となる記録員としてベンチ入りした。

 準々決勝で関東第一に敗れるまでに戦った3試合。「終わってみたらあっという間で。でも誰よりも高校生活を楽しめた自信があります」と振り返る。裏方として貢献するマネジャーには選手のような「完封勝利」や「本塁打」のような努力が目に見えて報われる瞬間は少ない。それでも最後の夏に東海大相模の一員として甲子園でスコアを記した思い出は一生の宝物だ。

 今後は東海大に進学予定で、将来の夢はウエディングプランナー。「自分で考えて、自分で動く」マネジャーとして過ごした2年半は今後の人生で大きな武器になる。台湾で「ジャパン」を背負う藤田には「緊張せずいつも通り投げれば絶対に大丈夫!」とエールを送った。

 「藤田は顔が怖いんですけどアレが普通なので。いたずらっぽいところもあるんで、本当はかわいいヤツなんです」と岡村さん。青春を燃やした夏が終わり、少し大人になった横顔で言った。(柳内 遼平)

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