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ドジャース・大谷翔平 史上初の「43―43」 地区優勝M23が点灯弾 驚異の「51―51」ペース

スポニチアネックス 2024年9月1日 1時30分

 ◇ナ・リーグ ドジャース10―9Dバックス(2024年8月30日 アリゾナ)

 マジック点灯へ導く史上初の「43―43」だ。首位ドジャースの大谷翔平投手(30)が30日(日本時間31日)、ナ・リーグ西地区2位のダイヤモンドバックス戦に「1番・DH」で出場。2回に43個目の盗塁を決め、8回には43号ソロを放ち、大リーグ史上初のシーズン43本塁打&43盗塁を達成した。直接対決を制して3連勝を飾り、地区優勝マジック23が点灯。優勝争いの原動力となりながら、さらなる偉業に突き進む。

 アリゾナの夜の風は、少しひんやりとしていた。試合開始時点の26度から、ぐっと下がった気温。対照的に敵地チェース・フィールドは、優勝争いの直接対決にヒートアップしていた。「Let’s go Dodgers!」の叫び声に、敵地のファンは「Beat LA」を連呼。「ヒリヒリする9月を過ごしたい」。熱い戦いを渇望していた大谷が求めていた空気だ。

 5―5の6回2死三塁、ブーイングの中で打席に立った。カウント1―2からの4球目は、外角チェンジアップがワンバウンドの暴投。大谷は打席で鬼気迫る表情で声を上げ、三塁走者・マンシーにスタートを促した。絶対に勝ちたい、という気迫の表れだった。

 2位・ダイヤモンドバックスとの4連戦の初戦。プレーボールから全開だった。初回先頭で右翼線二塁打し、2点の先制劇を演出。2回は右肘に死球を受けた後、3番フリーマンの4球目に二盗を決め3得点につなげた。9―5の8回は、救援右腕シーウォルドの93マイル(約150キロ)の真ん中直球を、逆方向の左翼席へ。2試合ぶりの43号ソロで10―5。9回に1点差まで追い上げられる辛勝の貴重な追加点だった。40本塁打40盗塁を決めた23日。「それが目的にならないように。しっかり勝つための手段として」とした通り、勝利に導きつつ史上初の「43―43」に到達した。

 デーブ・ロバーツ監督は「Incredible(信じられない)」と繰り返し、首を横に振りながら「これ以上、褒め称える言葉は見つからないよ」と言った。敵地チェース・フィールドでは初本塁打で、これで29球場制覇。8月は11本塁打&15盗塁で、史上2人目の月間10発以上&15盗塁以上だった。しかも、指揮官が現役時代につくった球団記録に並ぶ「失敗なしの月間15盗塁」でもあった。

 3連勝で両リーグ最多の81勝。何よりもダ軍との直接対決第1Rを制して5ゲーム差をつけ、地区優勝マジック23を点灯させた。「彼がバッターボックスに立ち続けることで勝つチャンスが生まれる」と指揮官。本塁打、盗塁ともシーズン「51」ペース。大谷がラストスパートも主役だ。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪Aロッド超え≫大リーグの40本塁打&40盗塁は大谷を含め6人が達成しているが、両部門での「43―43」は98年ロドリゲスの「42―42」を上回った。大谷が同一試合で本塁打と盗塁をマークするのは今季11度目。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によれば、史上最多は86年ヘンダーソンの13度で、73年ボビー・ボンズと昨年のアクーニャの12に続く数字となった。また、米データ分析サイト「オプタ」公式SNSは、大谷の今月6度目の同日本塁打&盗塁がMLBの月間最多記録とした。

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