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「虎に翼」原爆裁判 国際法の解釈は割れ…よねさん熱く冷静な反対尋問2分半「静かな怒り」ネット反響

スポニチアネックス 2024年9月3日 8時17分

 女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は3日、第112話が放送された。

 <※以下、ネタバレ有>

 向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。

 第112話は1960年(昭和35年)2月、「原爆裁判」の口頭弁論が始まった。竹中次郎(高橋努)は雲野六郎(塚地武雅)から裁判の記録を記事にしてほしいと依頼されていた。最近、佐田寅子(伊藤沙莉)の体調が優れないのは、更年期障害が原因の可能性。星百合(余貴美子)の物忘れも少しずつ深刻になりつつあった…という展開。

 第1回口頭弁論。傍聴したのは竹中のみだった。

 被告代理人・反町忠男(川島潤哉)は国際法学者・嘉納隆義教授(小松利昌)、原告代理人・岩居(趙〓和)は国際法学者・保田敏明教授(加藤満)の鑑定を求めた。反町は速やかな進行を希望したが、岩居は準備に時間がかかるとし、次回期日は8月に決まった。

 すれ違い際、山田よね(土居志央梨)は寅子に「意義のある裁判にするぞ」とだけ語り、法廷を後にした。

 竹中は米国帰りの寅子を取材して以来9年ぶりの再会。「突っ立ってないで、こっち座れよ、お嬢ちゃん」「法廷にいらした時、驚いて思わず叫びそうになりましたよ」「そろそろ、あの戦争を振り返ろうや。そういう裁判だろ」――。

 1961年(昭和36年)6月、鑑定人尋問。保田教授、嘉納教授の国際法解釈は割れた。

 その後の反対尋問。

 よね「国際法上禁止されていなければ、どんな残虐な戦闘行為でも違法ではない。そう嘉納教授はおっしゃるのですね?」

 嘉納「そういうことではございません」

 よね「質問を変えます。いくつかの国際法に、戦闘における不法行為を行った国には、損害を賠償する義務があると定められています。この義務は、国家間にのみ発生するのでしょうか?」

 嘉納「国際法の原則では、不法行為による損害賠償は、被害者個人ではなく、国家が請求することになっています」

 よね「では、日本国民個人がアメリカに対して、不法な戦闘行為による損害賠償を求めても不可能であると」

 嘉納「日本国は、米国に対する損害賠償請求権を平和条約第19条において放棄したとの解釈ですので、法的には不可能だと考えます」

 よね「主権在民の日本国憲法において、個人の権利が国家に吸収されることはない。憲法と国際法及び国際条約の規定と、法的にはどちらを上位に考えればよいとお考えですか?」

 嘉納「戦時中に、今の憲法は存在しません」

 よね「原告は、今を生きる被爆者ですが」

 汐見圭(平埜生成)「原告代理人、その言葉は、質問ですか?」

 よね「いえ。以上です」

 よねの熱を秘めた冷静なやり取りは約2分半。SNS上には「意義のある裁判にするぞ。よねさんの覚悟が伝わる一言だった」「よねさんの尋問に見入ってしまった」「ブレないよねさんがカッコいい」「声も表情も抑えているのに、静かな怒りがヒリヒリと伝わってきて泣きそうになった」「冷静なよねさんに敵う者などいない」「よねさんは法廷に立つ時がどんな時よりも冷静で、一番怒りを秘めているように見える」「よねさんが…よねさんのままのお姿で堂々と法廷に立って闘っていらっしゃる」などの声が上がった。

 原爆裁判の行方は…。

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