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元K-1王者の武居由樹が薄氷の判定勝ちで初防衛成功! ダウン喫するも、比嘉大吾に最終Rに猛攻

スポニチアネックス 2024年9月3日 20時2分

 ◇プロボクシングWBO世界バンタム級タイトルマッチ 王者 武居由樹(大橋)<12回戦>同級1位 比嘉大吾(志成)(2024年9月3日 東京・有明アリーナ)

 WBO世界バンタム級王者・武居由樹(28=大橋)が同級1位で元WBC世界フライ級王者の挑戦者・比嘉大吾(29=志成)を3―0の判定で破り、5月の東京ドーム興行で獲得した王座の初防衛に成功した。115―112、114―113が2人の接戦だった。元K-1王者の武居はボクシングデビューからの連勝を10に伸ばした。

 初回はお互いに様子を見る形の静かな立ち上がりとなったが、2回は比嘉が中に飛び込む中で武居も応戦する展開。3回は武居がカウンターのアッパーを当てた。4回には比嘉の回転力ある連打に防戦となる場面もあったが、5回以降は左右のアッパーがヒットするようになった。

 武居のフック・アッパーに比嘉もジャブを合わせてくる。第9ラウンドでは相打ち覚悟で飛び込んでくる比嘉の連打を浴びる場面もあり、左目の上をカット。11回には比嘉の左フックでダウンを喫した。それでも、12回には前に出て、足が止まった比嘉を攻め続けた。最後まで苦しんだが、何とかベルトを守った。

 かつて連続KO記録をつくった元世界王者に、現世界王者の強さを示した。比嘉を指導する野木丈司トレーナー(64)のフィジカルトレーニングに参加していたこともあり、挑戦者とは見知った仲。ボクシングでは"先輩"にあたり、1歳年上の比嘉を「大吾さん」と呼ぶ。それでも8月31日の公式会見では「(比嘉の)ニコニコした顔にだまされないように、自分は殺気を持って倒したい。5月はバチッと倒せなかったので、大吾さんすいません、バチッと倒します」とKOを宣言。リングでも勢いの違いを見せつけた。

 ジムの偉大な先輩から比嘉対策を授けられていた。世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)は21年2月に比嘉と、スパーリング形式のエキシビションマッチ(3分3ラウンド)で対戦。技術の違いを見せつけ、圧倒した井上から「アドバイスは何個かいただいた」と明かし、「それをイメージしながら練習している。(内容については)言えません」と準備は万全だった。

 WBAの井上拓真(28=大橋)、WBCの中谷潤人(26=M.T)、IBFの西田凌佑(28=六島)と日本人4人が世界王座を独占するバンタム級。王者としては新鋭ながら格闘経験は長く、ボクシングの伸びしろは一番ある武居の存在感が今後増していきそうだ。

 ▼武居 すみません。自分の中ではこの勝ちにはまだ納得してなくて…。本当に大吾さんと最高の試合ができて良かった。比嘉選手、本当に打たれ強いし、気持ちも強くて、ガンガン前に出てきて、パンチも強くて、自分がやられたくないことをいっぱいやられて、すごく強いファイターでした。感謝しています。大吾さんのおかげで俺、まだまだ上にいけるなと思えますので、感謝しています。まだまだ頑張ります。キツい試合ができて、もっともっと強くなれるなと思います。10月の天心君、頑張ってください!応援しています。

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