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鼻ビアス、暴力シーン、大胆な肌露出…河合優実 主演映画「ナミビアの砂漠」で“恩師”山中監督とタッグ

スポニチアネックス 2024年9月4日 5時32分

 女優の河合優実(23)が主演映画「ナミビアの砂漠」(6日公開)で新境地を見せている。激しい暴力シーンや肌の露出など、これまでにない演技に挑戦。恩師の山中瑶子監督(27)との初タッグだったことが大きいといい、そろってスポニチ本紙の取材に応じた。

 何に対しても情熱を持てない主人公カナが、自分の居場所を求めてもがくさまを描いた作品。カナは無気力な一方で、奔放に振る舞い、時に大暴れする。役作りに苦労はしなかったようで、河合は「人の話を聞いていないところは私自身と似ている。ここは監督が私を見ていて取り入れました」と笑って明かした。

 恋人に獣のように激しく感情をぶつけ、鼻ピアス、出血シーン、大胆な肌露出と、これまでにない一面を見せた。「山中さんだからできたことがたくさんある」と、全幅の信頼を置き、心身を解放できたようだ。

 出会いは約6年前。初監督映画「あみこ」(17年公開)を見て衝撃を受けた高校3年生の河合が、都内の映画館で舞台あいさつをしていた山中氏を訪ね「女優になります」「いつかキャスティングリストに入れてください」と書いた手紙を手渡した。以降、交流はなかったが、昨年から企画が動き出した。

 今を生きる人の姿を刻もうと、山中氏は現場でスタッフの意見を聞き、脚本を書き換えた。背中をあらわにしたカナの背骨の数を、恋人が数えてイチャイチャするシーンはスタッフの実体験を基にしたもの。河合は「即興的に映画を作ることができて面白かった」と振り返った。

 今作は5月、カンヌ国際映画祭の独立部門「監督週間」に出品された。河合は上映後、フランス人の学生2人に「I wanna be like you(あなたのようになりたい)」と声を掛けられたことを明かし「どんな言葉よりもうれしかった」と満面の笑みを見せた。相思相愛のタッグだからこそ生み出せた景色は国境を超えた。

 6年前に手紙を受け取った時、「勝ち気で印象的な目が忘れられなかった」と振り返った山中氏は、自らの作品でさらに成長した河合に「いつかまた一緒に作品を作りましょう。これからの活躍に期待しています。目が死んできたら言うからね」とエール。河合も「はい。目が死んできたら、言ってください!」と輝く瞳で応じた。(西村 綾乃)

 ≪思い出の地でトークショー≫河合と山中氏は3日、今作の公開記念トークショーを東京都中野区の映画館「ポレポレ東中野」で行った。同所は河合が6年前に山中氏に手紙を手渡した場所で「出演依頼をもらった時は、とにかくそこにこぎ着けたことがうれしかった。長かった6年間」と回想。山中氏は「怖いものがないという感じを凄く覚えていた」と懐かしんだ。公開が迫り、河合は「いろんな歯車ががっちり合って、本当に運が良かった」と笑った。

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