Infoseek 楽天

初防衛の武居 ライバル天心と「K―1時代には対戦できなかった。やりたい」リング上で対戦ラブコール

スポニチアネックス 2024年9月4日 4時46分

 ◇プロボクシングWBO世界バンタム級タイトルマッチ 王者・武居由樹 判定 同級1位・比嘉大吾(2024年9月3日 東京・有明アリーナ)

 WBO世界バンタム級王者の武居由樹が元フライ級世界王者の比嘉大吾に3―0の判定で勝ち、初防衛を果たした。11回にダウンを喫したものの、打ち合いの展開でアッパーを効果的に当ててポイントを稼いだ。元K―1世界王者はデビューから10戦全勝(8KO)。敗れた比嘉は引退を示唆した。

 最終回は王者の意地だった。11回に武居は比嘉の左フックを受け、キックボクシング時代を含め3度目のダウンを喫した。「倒しにいこうと。ガンガン前に出てダウンを取られて火が付いた」。攻めるしかない。この日のため練習してきた左右のアッパーであと一歩まで追い込み、この猛攻が勝敗を分けた。

 3―0ながら2人は1点差という僅差の勝利でベルトを守り、「全部のラウンドで楽しかった。アッパーはたくさん練習してきたが大吾さん(比嘉)が左フックを合わせてきて打ちにくかった」。ダウンについては「床が滑った感じだった。仕方ない。気持ちを切り替えた」と最終回の攻撃につなげた。

 苦戦しながらも初防衛に成功。試合後のリングでは同じキックボクシング出身のライバル、那須川天心の名前を出した。「K―1時代には対戦できなかった。だからボクシング転向した天心選手とやりたい気持ちが強い」と今後の対戦を熱望した。 (仁木 弘一)

 ▽武居―比嘉VTR 強打の応酬は見応え十分だった。武居は頭を下げる比嘉に対し、アッパーを起点に連打で主導権を握る。遠い間合いのまま、足を使う冷静さもあった。11回に左をもらってダウンを喫したが、最終12回にラッシュを浴びせ接戦を制した。比嘉は強振の左フックを軸に攻め込む場面もあった。ただ攻撃パターンが単調になり、小差で勝機を逃した。

 ◇武居 由樹(たけい・よしき)1996年(平8)7月12日生まれ、東京都足立区出身の28歳。10歳でキックボクシングを始め、14年11月にKrushでプロデビュー。16年6月に初代Krushバンタム級王座、17年4月にK―1ワールドGPスーパーバンタム級王座を獲得。キック通算25戦23勝(16KO)2敗。21年1月にボクシングのプロテストに合格し、3月のデビュー戦で1回TKO勝ち。22年8月に東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得。今年5月6日にジェーソン・モロニーを判定で破り、WBO世界バンタム級王者となる。1メートル70の左ボクサーファイター。

この記事の関連ニュース