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尚弥 天心戦は一笑に付す 中谷にも“忠告”「拓真は結構くせ者」バンタム級王座統一が大前提

スポニチアネックス 2024年9月5日 5時2分

 プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)が2度目の4団体王座防衛から一夜明けた4日、横浜市内の所属ジムで会見した。来年にもWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(26=M・T)と対戦する可能性が浮上する中、同階級WBA王者の弟・拓真(28=大橋)の壁は簡単にクリアできないと忠告。また那須川天心(26=帝拳)との夢のカードについても時期尚早だと一蹴した。

 井上尚は、この日も傷一つない顔で一夜明け会見に臨んだ。前夜は挑戦者のTJ・ドヘニーを7回16秒TKOで下し、防衛に成功。「フィニッシュシーンは不完全燃焼だったが、慎重に冷静に、ボクシングを徹底できた」と圧倒的優位予想の中で防衛戦を突破し、安堵(あんど)した。

 スーパーバンタム級“一強”の座は揺るがない。ただ、その座を狙おうとする存在は少なくない。先日、米興行トップランクのボブ・アラムCEO(92)は、来年にも中谷との対戦計画を明かした。舞台には自身2度目となる東京ドームが候補に挙がる。尚弥は不敵に笑い、こう続けてみせた。

 「彼がそういうステージに上がってくれば対戦候補の一人になる。でも、そこの壁はでかいんじゃないかな。皆さん中谷潤人がバンタム級1位と言うが、井上拓真は結構くせ者ですよ」。1階級下のネクストモンスターとの対決を歓迎した上で弟・拓真が、中谷の連勝を止めると忠告。バンタム級での王座統一戦勝利が大前提だとし“まずは拓真を超えてこい”と言わんばかりのメッセージを突きつけた。

 大橋秀行会長からは仰天プランも飛び出した。バンタム級にはボクシング転向4連勝中でWBA、WBC3位の那須川もいる。来月に初の地域タイトル戦を控える神童は人気、知名度も抜群だ。「天心は今伸びている。井上対天心も夢があるし、日本ボクシング界が盛り上がる」と明かした。これにも尚弥は「階級も違うし、まだチャンピオンでもない。(話は)そこの土俵に上がってきてから」とさらり。涼しい顔に王者のプライドとオーラがみなぎっていた。 (伊東 慶久)

 ▽井上―ドヘニーVTR 井上が消化不良ながら危なげなく勝利。1回から慎重な展開が続く中、ガードを固める相手にパンチを浴びせた。足を使ってボディーブローを交え主導権を徐々に握る。ペースを上げると思われた7回に攻め出たところ、ドヘニーが腰周辺を押さえて試合続行が不可能となった。ドヘニーは巧みな防御を見せたが挑戦者として手数が少なかった。

【ラスベガス興行は来年4月が最適】

 井上の次戦は12月24日にグッドマンと防衛戦を行うことが濃厚。4日、米専門メディアのボクシング・シーンでアラム氏が明かした。また同氏は来年の米ラスベガス進出プランについても言及。井上にとって21年6月以来の米上陸は来年4月が最適だとし「日本から何千人ものファンを呼び寄せる。特別なイベントになるだろう」と中谷ら多くの軽量級トップ選手を興行に参加させる意向を示した。来年末に東京ドームで「井上VS中谷」の開催実現を目指していることも明かした。

 井上は今後の練習再開について「体力的には問題ないが、精神的な疲れもある。2週間休みます」と話した。すると父・真吾トレーナーからすぐさま「2日の間違いでしょ?」と強烈なカウンターが飛び、会見場に笑いが起きていた。

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