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DeNA 番長の怒りから怒とうの加速5連勝 “カミナリ”降板後初登板のウィック2回零封

スポニチアネックス 2024年9月5日 5時33分

 ◇セ・リーグ DeNA6―1広島(2024年9月4日 横浜)

 DeNAは4日、6―1で首位の広島に完勝した。8月27日の阪神戦で三浦大輔監督(50)から投手交代を巡り一喝されたローワン・ウィック投手(31)が、同戦以来の登板で2回無失点と好投。チームは連勝を5に伸ばし、7月26日以来の貯金2となった。3位の阪神とは1.5ゲーム差のままだが、首位とは5ゲーム差に接近。一丸野球で上位進出を目指す。

 目の色が違った。一球に集中し、目の前の試合を勝ち切った。本拠地の観衆3万1547人に勝利を届けた試合後、三浦監督は一戦必勝を誓った。

 「連勝より、勝っていくしかない。その日の試合に集中して、ミスもカバーしながら(勝てて)よかった」

 首位・広島に2連勝なら、台風により中日3連戦の中止などを挟み5連勝。でも、ひりつく9月に数字など関係ない。ただただ、その日の試合に勝つ。そんな指揮官の思いを体現したのが初回だ。

 先頭の梶原が左前打すると、続く蝦名が1―2からしぶとく三塁線を破る。スタートを切っていた梶原が一気に生還。あっという間の先制点が佐野の右前適時打、宮崎の11号3ランにつながり、一挙5点を奪った。「何とか泥くさく」。蝦名が振り返り、宮崎は「毎日必死に食らいつく打席が多い。その結果」と言葉をかみしめた。

 誰もがひたむきに勝利へ向かう姿勢が今のDeNAにある。きっかけは8月27日の阪神戦。ピンチで降板を拒否したウィックに三浦監督が激高し、マウンドから降ろした。監督就任後初めて見せた姿は勝利への執念の裏返しだ。同日から牧主将考案の「勝ちきる覚悟 ALL FOR THE WIN!」のスローガンも掲げられており、雰囲気は一変してチームは加速した。

 これに呼応するように、1日のミーティングで筒香がチームを鼓舞した。メジャー経験を踏まえ、ナインに「メジャーではこの時期にもう一段ギアを上げる」と力説。筒香は「(渡米前より)本気で勝ちたいと思う選手が多くなった。このタイミングで言った方がいい」と声を上げた。

 7回から登板したウィックは、イニングまたぎの8回も味方エラーによるピンチを抑えて2回無失点。三浦監督は「しっかり(エラーを)カバーしてくれた」と称賛した。勝負の9月。まだ広島とは5ゲーム差でも、大逆襲への勢いはとどまるところを知らない。(秋村 誠人)

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