◇セ・リーグ 阪神2ー1中日(2024年9月5日 甲子園)
安心と信頼の“石桐さん”の奮闘で、阪神が1点のリードを守り切った。
先発・大竹が5回で降板。岡田監督は、6回から自慢の救援陣を惜しみなく投入する継投策に打って出た。2番手で起用されたのは、両リーグ最多59試合目の登板となった桐敷。2本の安打を浴びて1死一、三塁と追い込まれるも岡林を一ゴロ。なおも2死二、三塁で最後は山本を空振り三振に斬った。
「粘ってゼロでいけてよかった。チームが勝ててよかった。次も粘り強くゼロでいけたら」
両リーグトップの37ホールドポイント目を挙げた3年目左腕は6戦連続無失点に抑えて大粒の汗をぬぐった。
桐敷の粘投とは異なり7回に送り込まれた石井は“早業”で中日打線の勢いをそいで見せた。先頭・福永を2球目のスライダーで遊ゴロに仕留めると、細川にはフォーク3連投で3球三振。カリステも2球で左飛とわずか7球で3つのアウトを奪取した。
「こういう展開で球数少なく終われると思っていなかったが、7球で終われてよかった」。中盤からは打線もなかなか追加点を奪えなかった。主導権がどちらに転ぶかもわからない状況で、45試合目の登板となった背番号69が4戦連続無失点で流れを再び自軍に呼び込む零封。8回岩崎、9回ゲラとつながったバトンリレーに勢いをつけた。
勝ちパターンを担う“石桐”さんの躍動もあってチームは今季、甲子園での中日戦は10勝1分けで無傷のフィニッシュ。フランチャイズ制施行の52年以降では66年広島戦の10連勝以来となる58年ぶり2度目の同一カード最多連勝となった。
試合後、岡田監督は「(救援陣は)そら抑えると思って出してるんやから。やっぱり抑えよったと思ってるだけよ。打たれると思って出してない」と目を細めた。“石桐さん”が腕を振れば振るほど、逆転Vは近づく。(遠藤 礼)