◇ウエスタン・リーグ ソフトバンク4ー0オリックス（2024年9月5日 タマスタ筑後）
背部痛などで離脱しているソフトバンクの中村晃外野手（34）が5日、ウエスタン・リーグのオリックス戦（タマスタ筑後）で実戦復帰。小久保裕紀監督（53）が視察する中で「2番・一塁」でスタメン出場し、3打席目に中前打を放った。指揮官は1軍復帰の時期をベテランに一任。今週中にも復帰する見通しが立った。3日に第一子も誕生し、父親となった背番号7が頂点へのラストスパートを後押しする。
4年連続ゴールデングラブ賞に輝く定位置で中村晃が復帰した。2軍のオリックス戦に「2番・一塁」で8月11日の楽天戦以来の実戦出場を果たした。
「打席に違和感はなかった。2軍も優勝争いをしているし、なんとか点につながるヒット。足を引っ張らずに済んでよかった」と3―0の5回2死二塁、フルカウントまで粘り6球目を中前打。代走を送られ、3打数1安打で役目を終えた。
8月12日に背部痛を訴えて出場選手登録を抹消。「その日はバットが振れなかった」と振り返る。当初、最短10日で復帰予定だったが、21日夜の発熱で見送られた。この日、小久保監督が視察。「いつまでも（背中を）怖がっていてもしょうがない。腹を決めて」とバットを握り、ユニホームに袖を通した。
試合前にはグラウンドで小久保監督と面談。今後に向けて話し合った。「“自分がいけると思ったら言ってこい”と（言った）。週末なのか来週頭かは分からないけどね」と指揮官。信頼を置く中村晃に復帰の可否を任せた。6日の広島戦も出場する予定。状態次第ではホームで西武3連戦が開催される今週末にも、1軍へ復帰できる見込みだ。
うれしい“パパ初安打”にもなった。3日には第一子となる男児が誕生。母子ともに健康で「（自分が）熱を出して立ち会いに行けた。いいのか悪いのかですけど」と少し照れつつ「守るものが増えた。家族のため、応援してくれる人のために頑張らないと」と決意を新たにしていた。
チームは2位の日本ハムとの直接対決に連敗し、優勝マジックは15のまま足踏み。守護神の松本裕も離脱するなど、不安材料が噴出している。残り23試合。背番号「7」がいることは、ベンチの精神的支柱にもなり得る。中村晃は落ち着いた様子で言った。「ピッチャーのケガが続いているのは心配。早く戻りたい。腹を決めていきたい」。一両日中に自らにGOサインを出す。（井上 満夫）