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オリックス・T-岡田が今季限りで引退 通算204本塁打 チーム支えた「和製大砲」が19年目の決断

スポニチアネックス 2024年9月8日 3時2分

 オリックス・T―岡田外野手(36)が今季限りで現役を引退することが分かった。19年目の今季は4月に登録を外れて以降は2軍調整が続き、3試合で5打数無安打。7日までにユニホームを脱ぐ意思を固めたことを球団に伝えた。高卒5年目の2010年に33本塁打を記録し、王貞治(巨人)以来48年ぶりに22歳での本塁打王に輝くなど通算204本塁打。長年チームを支えてきた大砲が、ついに決断を下した。

 ファンの夢と希望を乗せた華麗なアーチは204本。T―岡田は長年の低迷期も、昨季までリーグ3連覇した黄金期も経験した。昨季に続き、今季も0本塁打。元本塁打王としての使命を背負い、振り続けてきたバットを置くことを決めた。

 「(昨オフに)球団の方と話をした時点で、“今年ダメなら…”と。そう覚悟を決めて今年を迎えました」

 近しい知人に決意を明かしていた。退路を断って迎えた19年目の今季は3年ぶりに開幕1軍入りし、3月29日のソフトバンク戦には「7番・一塁」で名を連ねた。4年ぶりの開幕スタメンを含めて3試合に出場、6打席に立って無安打だった。

 再調整を理由に4月11日に登録外。以降は年齢がひと回り以上も離れた若手とともに必死に汗を流した。ウエスタン・リーグでは37試合に出場。81打数10安打の打率・123、1本塁打にとどまる。

 25年ぶりにリーグ優勝した21年には17本塁打で貢献。特に天王山だった9月下旬の敵地でのロッテ3連戦では28日の初戦に通算200号を飾り、30日の3戦目には土壇場9回の逆転3ランで3連勝へ導き、プロで初体験の優勝を引き寄せた。

 近年は古傷の膝痛など度重なる故障を抱えても、周囲に悟られることを拒み、努めて明るく振る舞った。裏では練習と治療の繰り返し。苦しい日々で体は限界に達していた。本来の打撃も影を潜め、1軍戦力に加われない現実から目をそらすことはしなかった。下した決断こそが今季限りでの現役引退。既に球団にも意思を伝え、近日中に球団から正式発表される予定だ。野球に対する真摯(しんし)な姿勢と真面目で律義な性格は変わることはなかった。

 7日は球団関係者や恩師、知人ら一人一人に連絡を入れていた。「T―岡田」の生みの親であり33本塁打を記録して22歳で本塁打王を獲得した10年当時の監督でもあった阪神・岡田監督にも電話で報告した。通算5215打席。わずかに残された打席で、誰もが期待する2年ぶりのアーチを追い求める。19年間の思いを込め、最後のフルスイングにすべてをかける。

 ◇T―岡田(てぃーおかだ、本名岡田貴弘=おかだ・たかひろ)1988年(昭63)2月9日生まれ、大阪府出身の36歳。履正社では高校通算55本塁打も甲子園出場なし。05年高校生ドラフト1巡目でオリックス入団。登録名を「T―岡田」に変更した10年に33本塁打で初タイトルを獲得し外野手のベストナイン。14年は一塁手でゴールデングラブ賞。20年9月26日の日本ハム戦でプロ野球史上12人目の全打順本塁打を達成。21年は17本塁打、63打点でチーム25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。1メートル87、100キロ。左投げ左打ち。

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