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相米慎二監督の名作「お引越し」「夏の庭 The Friends」が12月リマスター版公開

スポニチアネックス 2024年9月9日 12時3分

 「セーラー服と機関銃」「ションベン・ライダー」「台風クラブ」など数多くの名作を残し、2001年に惜しまれながら53歳の若さで亡くなった相米慎二監督の「お引越し」と「夏の庭 The Friends」の4Kリマスター版が12月27日から東京・Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開されることが決まった。配給のビターズ・エンドが監督の命日の9月9日に発表した。

 相米監督後期を代表する珠玉の2作品。93年の第46回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に招待された「お引越し」は両親の別居に揺れる小学6年生の少女レンコの心を躍動感たっぷりに描いた1本で、田畑智子(43)のデビュー作だ。

 公開から30年の節目に登場したリマスター版は昨年の第80回ベネチア国際映画祭クラシック部門に出品され、最優秀復元映画賞を受賞。その後、フランスで劇場公開されるや、当初の数館から50館以上に拡大し、ル・モンド紙が1面で取り上げるほどのニュースとなった。台湾、米国、オランダ、スイスでも上映され、評判を呼んだ。

 「お引越し」の翌年の94年に公開された「夏の庭 The Friends」の4K修復版は今夏、相米慎二監督の特集が組まれた香港映画祭(夏編)でワールドプレミア上映された。原作は世界十数カ国で翻訳出版されている湯本香樹実さん(64)の小説で、ある老人と小6トリオのひと夏の物語。「生」と「死」を考えさせられる佳作で、名優・三國連太郎の圧倒的な存在感と少年たちのみずみずしい演技が感動を誘った。

 リマスター版公開に寄せて、「お引越し」でレンコを演じた田畑は「『お引越し』は私自身のデビュー作であり、思い入れしかない、宝物のような作品です。小学生だった私は、まさか30年経ってもまだこの仕事をしているなんて思ってもいませんでした。相米監督に出会って私の人生が変わった。あの夏はそのぐらいの出来事でした。それが今、またスクリーンで観られる!みなさんがどういう感想を持ってくださるのか、すごく興味が湧きます。改めて観る方も、初めての方も、現代だからこそ響くところがきっとあるし、相米監督のつくる世界をいろんな方に楽しんでもらいたいです」とコメントを寄せた。

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