FC町田ゼルビアの黒田剛監督（54）が9日、今月発売された著書「勝つ、ではなく、負けない。」（幻冬舎）の刊行記念トークショーを町田市内で行った。
イベント前に取材対応した黒田監督は「リーダー論や組織マネジメントについて、サッカー界だけでなくスポーツ界やビジネス界にヒントをということで声を掛けていただいた」と語った。町田監督就任1年目の昨夏に出版オファーを受け、当初はJ2優勝を達成した昨オフに完成予定だった。それでも細部の言葉選びに納得がいくまで徹底的にこだわり、多忙の中でキャンプ期間など時間をつくり推敲を重ねた。「多少時間がかかったけれど、自分の言葉を詰め込むことができた」。J1初昇格ながら首位を長くキープし、現在9試合を残して首位の広島と勝ち点55で並ぶ2位。「リーグ戦の真っただ中での出版。本を出すことで、この後の結果がさらに注目されることに身が引き締まる思い」と心境を語った。
著書は青森山田監督時代に続き3冊目。今月4日の発売から早くも重版が決定するなど好調で「チームの成績や地域の盛り上がり、メディアの皆さんが全国に広めてくれたいろいろな話題の影響もある」。表題に込めた思いを「勝ち急ぐのは負けるのと表裏一体。負けないための組織づくりが勝つ確率を上げる」と説いた。