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「虎に翼」尊属殺の問題再び 第70話・穂高の反対意見→新キャラ美位子 ネット「今こそ先生の遺志を」

スポニチアネックス 2024年9月10日 8時15分

 女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は10日、第117話が放送された。

 <※以下、ネタバレ有>

 向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛けた朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となった。

 第117話は1969年(昭和44年)1月、桂場等一郎(松山ケンイチ)が最高裁長官に就任。その祝賀会が竹原梅子(平岩紙)と道男(和田庵)の店「笹竹」で盛大に開かれる。そんな中、戦後生まれの学生たちが中心となった運動が激化し、東大で安田講堂事件が発生。崔香淑/汐見香子(ハ・ヨンス)の娘・汐見薫(池田朱那)が逮捕され…という展開。

 斧ヶ岳美位子(石橋菜津美)は父親を絞殺し、尊属殺人の疑いで逮捕。美位子の母・斧ヶ岳寛子(宮田早苗)は山田よね(土居志央梨)と轟太一(戸塚純貴)に弁護を依頼した。

 東大でも、大学改革を訴える若者が安田講堂を占拠。1968年(昭和43年)6月から約半年に及んだ籠城は、機動隊により強制的に排除され、抵抗した数百人の若者が逮捕された。

 美位子は山田轟法律事務所を手伝っている。「手伝いっていうか、居候させてもらっているだけ。今、弁護をお願いしていて」「私、実は父親殺しちゃって」。佐田寅子(伊藤沙莉)は「え…」と絶句した。

 よねは「あいつは尊属殺人の罪で起訴されて、つい先日保釈が認められたんだ」「どうせ知ることになる。新聞や雑誌の格好のネタになるのは時間の問題だ」、轟は「美位子さんは、父親からのおぞましい虐待に長年耐えてきた。母親が家を出てから、何年も彼女は…父親と夫婦同然で暮らすことを余儀なくされ、2人も子どもを産まされた。仕事先で恋人ができた美位子さんは、相手と結婚しようとしたが、父親は怒り狂い、彼女を家に閉じ込め、暴力を振るい…」と明かした。

 よねは「刑法200条、尊属殺人罪は憲法14条に違反していると主張する。刑法199条の殺人罪を適用し、さらに正当防衛、もしくは緊急避難で減刑を訴える」「私たちは最後まで戦う。こんな理不尽が、許されてたまるか」、轟は「憲法判断を争う限り、最高裁まで行くだろう」と覚悟を示した。

 「昭和25年、尊属殺人の重罰規定を定めた刑法200条は、憲法に違反しないとする判決が最高裁で言い渡されました。よねたちは、その判決を覆そうとしているのです。今ならば、判決は変わるのか。それとも」(語り・尾野真千子)

 第70話(7月5日)、穂高重親(小林薫)が書き記した最高裁判決への反対意見。

 「この度の判決は、道徳の名の下に、国民が皆平等であることを否定していると言わざるを得ない。法で道徳を規定するなど許せば、憲法14条は壊れてしまう。道徳は道徳、法は法である。今の尊属殺の規定は、明らかな憲法違反である」

 「尊属殺の問題は20年後、再び世間を賑わすことになります」の語りがここにつながった。

 SNS上には「今こそ穂高先生の遺志を」「穂高先生の“反論”が、ここで重大な意味を帯びてくるのか」「ラストスパートに向かっても手を緩めないドラマ」などの声が上がった。

 次から次へと立ちはだかる問題は果たして。

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