◇セ・リーグ 巨人5-0広島(2024年9月12日 マツダ)
【佐々岡真司 視点】投手戦や僅差の展開で明暗を分けるのは、四球や失策。巨人・戸郷は四球でピンチを広げた2回無死一、二塁を切り抜けた一方で、広島・床田は直後の3回に失策絡みで3失点し、巨人が試合の主導権を握った。
床田は守備力の高い選手だが、無死二塁からバント処理後の一塁悪送球が致命傷になった。小園の三塁カバーがやや遅れたのは、打球が速く投手が捕れないと考えて前に出たためだろう。床田にはその動きが見えずに一度三塁方向を見て一塁へ投げた。捕手の指示も、大歓声で聞こえなかったのではないか。
戸郷は左打者の内角に投げ切れていなかったが、ギアの入った6回の堂林、末包への投球はさすが。2―2から見逃された球を3―2から投げ切ったフォークは見事だった。
巨人は11日の9回大逆転勝ちで乗った。ローテーションを再編して菅野、グリフィン、戸郷で臨んだ3連戦の3連勝は価値がある。(スポニチ本紙評論家)