俳優の和田正人（45）が13日、都内で出演映画「シサム」（監督中尾浩之）の公開初日舞台あいさつに出席した。
撮影は昨年7月に、北海道白糠町で実施された。撮影前に爆竹をならすなど、付近に生息するヒグマ対策をしながら撮影を行ったという。和田は作中で片目が不自由な役どころで、撮影が大変な現場の中でも特に困難を極めた。「片目が塞がっている状態で、ロケ地が山だし、道なき道。草をかき分けて皆さんが移動していくのに、遠近感が取れず皆さんのスピードでついていけなかった。さらに片足も引きずるみたいな役でもあったので、精神的にも肉体的にも追い込まれていた。ハードだった」と撮影を振り返った。
不自由な衣装で撮影に臨んだ和田は熊に対しても人一倍敏感になっていた。「ここでヒグマが出てきたら、真っ先に俺がやられるだろうと思っていた。片目では逃げられない」と語った。幸い撮影中に熊に遭遇はしなかったが、スタッフが食べかけの鹿の足を見つけるなどヒグマは身近な存在だった。
主演の寛一郎（28）も「味がある飲み物や食べ物は持ち込まなかった。もし熊が出たら和田さんを犠牲に…」と冗談交じりに当時を懐かしんだ。