◇セ・リーグ 阪神7―3広島(2024年9月13日 甲子園)
もがいた先に光が見えた。阪神・前川が8月1日の巨人戦(甲子園)以来、今季4度目の3安打猛打賞。2回と5回の右前打を得点に結びつけると、広島に2点差と追い上げられた直後の6回1死一、二塁で中崎の145キロ直球を右中間に適時二塁打。9月初打点は貴重な中押し打になった。
「ずっと打ててなくて、チームに迷惑をかけていた。消極的だったので、真っすぐタイミングで1、2、3で思い切って振った」
出場5試合連続無安打で、スタメンを井上、島田に奪われる形が増えていた。決して言い訳はしないが、8月に痛めた腰や死球禍の影響も出ていた。それでも今頑張らないと意味がない。「大歓声に背中を押してもらった」と感謝を口にした。
6回1死満塁のピンチでは坂倉のファウルを「ベンチの指示で捕っていいと確認していたので」とフェンス激突キャッチでアウトをもぎ取った。首位接近は甲子園に流れた途中経過で知った。「やったんで!とみんなが燃えている」。もう迷いはない。(鈴木 光)