◇ア・リーグ レッドソックス4-5ヤンキース(2024年9月13日 ニューヨーク)
レッドソックスの吉田正尚外野手(31)は13日(日本時間14日)、敵地でのヤンキース戦に「4番・DH」で出場し、4打数2安打2打点1本塁打だった。チームは4-5で悔しい逆転負け。打率.288、10本塁打、50打点となった。
ヤンキースの先発右腕シュミットに対し、吉田はこの日の最初の2打席を打ち取られた時点で通算12打数0安打2三振。6回二死一塁の場面で、苦手の右腕がカウント2-0から投じた92マイルのカッターを見事にとらえ、右翼席に打ち込んだ。吉田の本塁打は8月19日(同20日)のアストロズ戦以来。メジャー移籍後2年連続2桁本塁打となった一撃は、投手戦の均衡を破り、伝統のヤンキースタジアムのファンを沈黙させる価値ある一打だった。
試合は7回までレッドソックスが4-0とリードしたものの、7回裏にヤンキースが猛攻。1点を返してなお無死満塁の絶好機で打席に立ったアーロン・ジャッジが左翼席に52号逆転満塁弾を叩き込み、そのまま逃げ切って劇的な勝利を飾った。レッドソックスにとっては痛恨の敗戦となった。
試合後の吉田との一問一答は以下の通り。
――ジャッジの一振りで敗れる悔しい試合。
「雰囲気があの回はすごくヤンキースに寄っていくような感じでしたね。飲み込まれるような」
――4打数2安打で苦手のシュミット投手から先制弾も打った。
「去年打てなかったので、あんまりいいイメージは持てていなかった。最後は3打席目、甘くきたのをゴロにならずにいい角度で上がったという印象ですね」
――外、外と来ていたのが、真ん中に入ってきたのを1発で仕留めた。
「そうですね、失投だったと思うので」
――打撃練習でも押し込むことを意識しているように見えた。
「そこは今年、去年の反省も生かしながら、ずっと練習では外野に伸びていくような打球を練習から心がけてはいます」
――コーラ監督は「まだ終わりじゃない」と述べている。
「(ヤンキース戦は)あと2つありますから、明日、いい形で迎えられるように」
――相性が悪かったシュミット投手への準備は。
「1打席目は引っ掛けてしまったんですけど、ああいう打席が去年も多かった。何とかフライ、フライというかライナーを打ち返す。引っ張りにいくと上っ面を叩いていたんで、まあ反対方向っていう中で、ファーストストライクは詰まったり、後ろにファウルがいってたりしていたんですけど、そこを我慢して、何とかちょっとずつポイントをずらしながらという感じで、最後は甘くきたのでよかったです」
――2ボールのカウントからカットボールへの意識があったのか。
「あまり奇麗な真っすぐというのを投げないピッチャー。どっちにしろ動く球ですので、自分でひきつけて、ファウルでもいいので、バッティングカウントだったので、自分で強くスイングというところでしたね」
――2年連続2桁本塁打で思うことは。
「まあそれはあまりないですね。1本でも多くっていうところですかね」
――ヤンキース戦で印象的な活躍が多い。伝統のカードに違いは感じるか。
「昨日に比べても今日もたくさんお客さんも入ってました。ヤンキースが調子いいっていうのもあると思いますし、プラス、この伝統のカードっていうんですか、それらが重なっている中ですので、やっぱり声援、声のボリューム、球場の雰囲気っていうのはちょっと違うかなと思いますね。独特な雰囲気があると思います」(ニューヨーク・杉浦大介通信員)