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矢野燿大氏 阪神・前川のスーパーキャッチは3打点以上の価値

スポニチアネックス 2024年9月17日 5時18分

 ◇セ・リーグ 阪神3―0ヤクルト(2024年9月16日 甲子園)

 【矢野燿大 視点】初回の前川のスーパーキャッチは、優勝争いの中での大ファインプレーだ。浜風の影響を受けるし、左翼ポール際の甲子園のフェンスはリリーフカーの出入り口もあって、構造的に少し出ている。野手にとって非常に難しい打球だった。

 阪神では外野守備担当の筒井コーチが、ギリギリの打球を想定した練習を行っているが、試合はまた別物。フェンスが気になり、少しでもビビったら、あれは捕れない。絶対に捕る、という前川の気持ちが前面に出た。2死満塁で抜けていたら確実に3点。前川のプレーは3打点以上の価値があった。

 打撃と守備は連動する。捕手でも打てば、思い切ったリードができる。前川もいい打席が続いているから、守備でも貢献し、6回には決勝犠飛。優勝争いの中で全てを成長につなげてほしい。今の姿勢を貫くことを期待したい。

 試合の流れでは大竹が6回にヤクルトを3者凡退に抑えたこともポイントだった。5回の攻撃で大竹の送りバント失敗から中野の併殺でチャンスをつぶしていた。少しヤクルト側に動くのかというところで大竹は失敗を引きずらずに抑え込み、その裏の2点につなげた。いい流れでの4連勝だった。

 残りはいよいよ10試合。もう特別なことはできない。自分たちの戦いに徹するだけだ。結果はどうあれ、追う方が楽。攻める気持ちでいけば、巨人に脅威を与える。勝ちを重ねて、22日からの直接対決2連戦を1ゲーム差以内で迎えることができれば期待が高まる。(スポニチ本紙評論家)

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