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阪神4連勝!前川、攻守で“満塁男”や 6回無死満塁好機でV犠飛 初回2死満塁ピンチでは大飛球を好捕

スポニチアネックス 2024年9月17日 5時18分

 ◇セ・リーグ 阪神3―0ヤクルト(2024年9月16日 甲子園)

 阪神は16日、甲子園7連戦ウイークの最終戦となるヤクルト戦に3―0で快勝。貯金を今季最多の「11」とした。殊勲は攻守の満塁機で輝いた前川右京外野手(21)。初回2死の左翼守備でフェンス際の大飛球を好捕し、打っても6回無死から決勝犠飛を放って9月2度目の4連勝へと導いた。2年連続のシーズン勝ち越しを決め、中日を下した首位・巨人との2ゲーム差を堅持。破竹の勢いそのままに、雌雄を決する残り10試合へ挑む。

 前川に迷いはなかった。絶対に捕る――その一心で、フェンスを恐れず落下地点へ一直線に疾走し、懸命に右腕を伸ばした。ラバーに激突した衝撃で白球がこぼれ落ちそうになりながら、再びグラブへ収めた。初回2死満塁の大ピンチで、増田が放った左翼フェンス際の大飛球をスーパーキャッチ。右翼から左翼方向へ吹く浜風の強弱も計算に入れ、試合開始早々、21歳が守備で魅了した。

 「ここ最近、風が強いので、とにかく最短(距離)で追おうと。捕れて良かったです」

 2死のため、走者はスイングと同時にスタートを切る。落としていれば3失点は免れない場面で見せた超絶美技。岡田監督に試合後「今日は初回から前川のゲームかなと思った」と言わしめたビッグプレーは、確かに勝敗の分岐点となった。

 好守のリズムはバットにも波及した。0―0で迎えた6回、先頭・森下からの3連打で無死満塁。直前の佐藤輝から代わった左腕・田口が相手でも、虎将はベンチから腰を上げなかった。1ボールからの高め直球を中堅へ運び、均衡を破る決勝犠飛。地鳴りのような大歓声を背にしても「ヒットを打たないと。内野も前進で、おいしい場面。もうちょっとできた」。先発で唯一無安打に終わった事実に反省の弁ながら、今季満塁では計8打数4安打、14打点。打席数こそ少なくても、チーム屈指の満塁男・木浪(今季満塁で16打数8安打、16打点)に引けを取らない数字には堂々と胸を張れる。

 攻守の満塁機で輝いた若武者がルーティンとするのが、ネクストバッターズサークルでの「股割り」だ。サークル内のスプレーやマスコットバットなどを整理した後、足を広げて腰をグッと落とす。打席に備えた体のストレッチに加えて「気持ちも落とし込んでいる」と前川。メンタルの準備も決して怠らず、日々の一打席に全てを懸けている。

 「最後に見られるのは結果なので。あと10試合も、結果を残せるように頑張る」

 2試合連続決勝打の男は声高らかに言った。甲子園7連戦(降雨中止があり開催は6試合)を上々の5勝1敗でフィニッシュ。巨人の勝利で自力優勝復活は持ち越しとなっても、「メークアレンパ」への加速度を増す9月2度目の4連勝だ。ノンストップで連勝街道を駆け、栄光のゴールテープを目指す。(八木 勇磨)

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