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カブス・今永 9年目自己新14勝目 石井一に並んだ日本左腕最多 規定投球回にも到達

スポニチアネックス 2024年9月18日 1時33分

 ◇インターリーグ カブス 9―2 アスレチックス(2024年9月16日 シカゴ)

 カブス・今永昇太投手(31)が16日(日本時間17日)、アスレチックス戦で日本投手の左腕最多で、プロ最多となる14勝目を挙げた。先発して6回5安打2失点、11奪三振はメジャー最多。DeNA時代の19年の13勝を上回り、同時に166回1/3で規定投球回もクリアした。勝ち星とともに防御率3・03もリーグ3位につけ、日本選手では18年エンゼルス・大谷(現ドジャース)以来の新人王にも大きく前進した。 

 米国でも大々的に報じられた。歴史ドラマ「SHOGUN 将軍」の「エミー賞」史上最多18冠受賞は歴史的快挙だった。真田広之(63)演じる徳川家康がモデルの主役は、武将「吉井虎永(とらなが)」。リグリー・フィールドで主役を演じたのは、背番号18の「虎永」ならぬ今永だった。

 4者連続を含む、毎回のメジャー最多11三振を奪い、6回5安打2失点の好投。今季166回1/3とし、日本投手では8人目の1年目の規定投球回に到達した。「(規定投球回の)162イニングを投げることを目標にやってきた。環境の違いはあったけど、うまくケガを未然に防ぎながらここまでやれている」。自身5連勝での14勝は、DeNA時代の19年にマークした13勝を上回る自己最多。左腕の日本投手では02年石井一久(ドジャース)に並ぶシーズン最多勝利数となったが「うれしいことではあるけど、チームが何勝何敗なのかが大事。自分としては特に気にしていない」と意に介さなかった。

 勝っても反省する「投げる哲学者」。2回までに6点の援護を受けたが、3回にルーカーに直球で右中間2ランを浴びた。「真っすぐを投げちゃいけないところだった」。そこから4回にかけ4者連続奪三振。「スプリットに関しては空振りも取れたし、失投も少なかった。次の登板につなげられる」とまだまだ快進撃は終わらない。

 二刀流の侍からの助言を生かした。7月の球宴の際、ドジャース・大谷から体重を維持することの大切さを学んだ。全ては長いシーズンを乗り切るため。過酷な日程で自然と体重が落ちてしまうことを防ぐために「遠征先に夜中に着いても食べて、体重維持に努めた。こっちで買った40ドル(約5640円)の炊飯器に感謝です」と好調維持の秘密を明かした。

 全米の野球ファンを席巻する「SHOTA 今永」。パイレーツの最速164キロの剛腕スキーンズらと争う新人王の可能性を膨らませつつ、間もなく1年目のフィナーレを迎える。

 ▼カブスクレイグ・カウンセル監督 ショウタは本当に才能があり、優秀だ。彼にはまだ達成すべきことが残っているといいが、彼が素晴らしいシーズンを送っていること、そして我々にとって素晴らしい投手であることは疑いようがない。

 ≪日米を通じて最多の14勝目≫今永がプロ9年目で日米を通じて最多の14勝目。メジャー1年目の日本投手の勝利数では、02年石井一久と並び4位タイで、最多の12年ダルビッシュ、16年前田の16勝にあと2勝に迫った。1年目に限らない勝利数でも、同じく石井と並ぶ日本投手の左腕最多。日米通算78勝目で、80勝にあと2勝となった。

 ▽「SHOGUN 将軍」 真田広之が主演・プロデュースした「関ケ原の戦い」前夜が舞台の歴史スペクタクルドラマ。米ディズニー傘下のFX制作。2月の配信開始後、6日間で900万回視聴された。15日(日本時間16日)、米テレビ界のアカデミー賞と言われる最高の栄誉「第76回エミー賞」授賞式では、真田が日本人初の主演男優賞を受賞するなど、作品賞、監督賞、主演女優賞の主要部門を独占。8日発表の技術・制作部門を合わせ史上最多の18冠となった。日本ではディズニープラスで配信中。

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