◇大相撲秋場所千秋楽(2024年9月22日 両国国技館)
大相撲秋場所は22日、東京・両国国技館で千秋楽の取組が行われた。前日に大関・豊昇龍(25=立浪部屋)を破り12場所ぶり2度目の優勝を決めた関脇・大の里(24=二所ノ関部屋)は関脇・阿炎(30=錣山部屋)に突き落とされ痛恨の黒星。13勝2敗で締めくくった。
それでも今場所は平戸海や琴桜ら対戦成績で負け越していた苦手を次々に克服。14日目に対戦した豊昇龍には不戦勝を除いて過去3戦全敗だったが、優勝が懸かった大一番で最大の難敵をついに破り、千秋楽を待たずして2度目の優勝をつかんだ。
割れんばかりの拍手を受けながら、賜杯を手にした大の里。優勝力士インタビューでは「今日勝って締めたかったんですけど優勝できてよかったです。先場所悔しい思いをしたので今場所何とか頑張りたいということで結果が出てよかったです」と笑みを浮かべる。
9勝に終わった先場所から「親方の胸を借りてたくさん稽古をつけてもらったので。本当に親方のおかげです」と感謝も口にした。
また大関昇進目安の3場所合計33勝を上回る34勝で今場所を戦い抜いた大の里。
昇進を諮る臨時理事会の招集が要請され、「過去これで大関にあがれなかった力士はいません。それについてどうでしょう?」とアナウンサーから問われると大の里は「そうですね、まだ…まだたくさん稽古して。上に向けて頑張りたいなと思います」と話す。
これにアナウンサーが「大関の上というと…目指すものについて聞かせていただけますか?」と続けると大の里は「まだ…まだ発表されていないので。しっかり待ちたい」と謙虚に語った。
そして豪雨被害の故郷・石川へ向けて「地元が大変な状況になっている中で、昨日朝起きてニュースを見てびっくりしました。少しでも僕の優勝で元気になってほしい」と思いを伝えた。
記録的優勝で史上初のちょんまげ大関誕生となる。関脇以下の年間複数回優勝は92年の貴花田(当時、元横綱貴乃花)以来、32年ぶり2人目。さらに大関昇進直前の3場所で2度Vは、1934年春場所後の男女ノ川以来、90年ぶり史上2人目の快挙となる。