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安田祐香 お待たせ初V ミレニアム世代5年目23歳 恩師坂田さんにささぐ

スポニチアネックス 2024年9月23日 4時45分

 ◇女子ゴルフツアー ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン最終日(2024年9月22日 宮城県 利府GC=6638ヤード、パー72)

 ミレニアム世代の安田祐香(23=NEC)が通算9アンダーでプロ5年目にして念願のツアー初優勝を飾った。競技は悪天候により27ホールに短縮され、セカンドカットを実施。9ホール決戦となった最終日に1打差の単独首位から2つスコアを伸ばして逃げ切った。通算6アンダーの2位には岩井千怜(22=Honda)ら3選手。規定により賞金加算額は75%となるが、メルセデスランクのポイント配分に変更はない。

 初勝利を祝福するかのように、直前まで降っていた雨がやんだ。かれんな容姿とは対照的にクールな性格の安田。優勝インタビューで「泣かないつもりだったんですけど…」と、あふれ出る涙を何度も拭った。アマ時代から将来を嘱望され続けた23歳は、優勝争いに敗れて幾度も涙をのんできた。プロ5年目。やっとつかみ取った念願の1勝目だった。

 「優勝争いをしてもなかなか勝てなかったので…。恩返しができて凄くうれしいです」

 17年日本女子アマを16歳で制し、00年度生まれの「ミレニアム世代」の旗手として鳴り物入りでプロへ。しかし古江彩佳、西村優菜ら同世代が勝利を重ねる姿を横目に、首などの故障にも苦しんだ。「勝てない」「体力がない」という言葉がSNSで届いたこともある。傷ついたし、落ち込んだ。それでも負けなかった。「勝つためにどうすれば良いのか、ゴルフに向き合う時間が増えた」。23年から地元・神戸で毎週のようにトレーニングに励んで、コツコツと体をつくってきた。全ては勝つためだった。

 単独首位から出た最終日は9ホールの短期決戦。中断から再開直後の15番でボギーを叩いて2差まで迫られた。だが、16番パー4で第2打を30センチにつけ2連続バーディーを奪い返す強さがあった。

 7月には小学3年から師事した坂田信弘さんが逝去した。「私も頑張らないと」と恩師に誓った思いも胸に秘めて戦ってきた。133試合目で掲げることができた優勝トロフィー。「天国で見てもらえているかな…」と目を真っ赤にした23歳。これまでの涙は、決して無駄ではなかった。

 ◇安田 祐香(やすだ・ゆうか)2000年(平12)12月24日生まれ、兵庫県出身の23歳。7歳からゴルフを始め、坂田塾で基礎を学ぶ。兵庫・滝川二高に進み、17年日本女子アマ優勝。19年にはアジア太平洋女子アマを制し、同年のオーガスタナショナル女子アマで3位に入った。トイプードルの愛犬・イブと遊ぶのが癒やし。同年プロテストで一発合格。目標は申ジエ、松山英樹。1メートル63、53キロ。

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