◇パ・リーグ ソフトバンク9―4オリックス(2024年9月23日 京セラD)
ともに大きく飛躍し、打線を支えたソフトバンクの「慶応コンビ」も喜びを爆発させた。柳町達外野手(27)と正木智也外野手(24)がリーグ優勝を記念して対談し、学生時代の思い出やプロ入り後のエピソードを披露。35試合に出場したドラフト3位の広瀬隆太内野手(23)もリモートで飛び入り参加した。 (取材・構成=木下 大一、井上 満夫)
――優勝おめでとうございます!まずは今の気持ちを。
柳町(以下柳)「去年、一昨年は試合に出ていてもチームが優勝から遠ざかっていたので。率直に優勝したチームの一員になれたことがうれしいです」
正木(以下正)「大卒3年目のシーズンで懸けてた部分もありました。前半戦は2軍でしたけど、自分の打撃を見つめ直した結果が後半戦につながり良かったです」
――2人で打撃について話した?
柳「ホームラン数を競ってるくらいですかね(笑い)」
――正木選手は以前「達さん(柳町)の方が意識している」と。
柳「いや(正木を指さして)一番意識してますよ」
正「絶対に負けたくない(笑い)」
柳「僕は2シーズン、ホームラン0だった。打たないと残れないと思っていた。今シーズン感覚のようなものが少しでも得られたのは良かった」
――お互いの性格を教えてください。
柳「結構、正木は大ざっぱなんですよ(笑い)。それが時に思い切りの良さとかにつながっている。いい大ざっぱだな、と思ってます。あと、芯の太さというところは凄くうらやましい。練習も自分のやりたいことを納得するまでやり切る」
正「達さんはメンタルが強い。ブレないというか。どんな状況でもやっていることは変わらないし、自分のやるべきことをやっている。チャンスにも強い」
――実は広瀬選手にも事前に質問し、柳町先輩の尊敬する点は同じく、メンタルの強さ、でした。
広瀬(以下広)「感情の起伏がなくメンタルが強いのが凄いなと思います」
正「一緒ですか」
柳「正直、心の中では揺れ動いてます(笑い)。弱いからこそ強くなるためにじゃないですけど。こういう時どうしようとか、プロに入ってから分かってきたところもあるので。それがあるのかもしれません」
――広瀬選手の正木先輩への尊敬する点も紹介します。
広「凄い真面目なので。めっちゃ練習するし、ひた向きに野球をするというか。大学時代から凄くいいところだな、と思っています」
正「なんか上からだな(笑い)」
柳「ナイスコメント」
――お互いの高校時代の印象は?
柳「(3年と1年で)あまり接点がなかった。でも“(体が)でけーな”とは思いました」
正「当時、一言もしゃべったことないぐらいでした。僕は怖い人なんだと思ってました。高校の先輩は怖いイメージがあって、ずっと試合にも出ていた方なので。この人、絶対に怖いんだろうな、と(笑い)」
柳「話をするようになったのは大学に入ってからかな」
正「寮、一緒だったですもんね」
柳「こいつ、寮でずっと寝てました。昼過ぎまで、ずっとベッドにいるんですよ。一生寝てるなって。だからわざと起こしに行ったりしました」
正「ベッド、入ってきましたよね。ちょっとウザかったです(笑い)」
――早慶戦は特別。
正「早稲田だけには負けられない思いはあった。プロに入ってからは相手投手が早稲田の人だからとかはないですけど」
柳「リーグ戦の順位がどうあれ、負けられないという意識でした。凄くお客さんが入る試合。大舞台の経験は積めたのかなと思います」
――2人だけで食事に行くことは。
正「初ヒット祝いで焼き肉屋に連れていってもらいました」
柳「あったね」
――最後に広瀬選手からこんなメッセージもあります。
広「柳町さんが誘ってくれて北海道で海鮮をごちそうになりました。同窓会みたいで凄く楽しかった。またご飯に行きたいです」
正「めっちゃ楽しかったです」
柳「(日本ハムの)郡司も合わせて4人で行きました。もちろん、またぜひ」
――最後にポストシーズンに向けて。
正「長所は打撃だと思うので魅力を出せるようにしたいです」
柳「シーズンと変わらず、出されたところで自分の役割を果たしたいです」
≪育成左腕・佐藤宏を含め実は“4兄弟”≫
○…チームに慶大出身選手は4人いる。20年卒の柳町、22年卒の正木、24年卒の広瀬が今季は1軍でプレーしたが、21年卒の“次男”が育成左腕の佐藤宏だ。20年の育成ドラフトで1位指名を受けて入団。4年目の今季は5月1日のウエスタン・リーグ、広島戦で公式戦初勝利を挙げた。