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「即戦力」は減った? ドラ1の新人王争いは西武・武内のみ、スカウト本音は「上位の大学生でも…」

スポニチアネックス 2024年9月28日 8時3分

 来月24日に開かれる今年のドラフト会議は、大学生の逸材が目玉になる。最速154キロ左腕の関大・金丸夢斗、遊撃手の明大・宗山塁は、複数球団の1位入札が有力視されている。さらに、今年3月に侍ジャパンに招集された愛知工大・中村優斗や青学大・西川史礁らも多くの球団の1位候補に挙げられており、1位入札は大学生に集中しそうだ。

 これから指名予想も盛り上がってくるだろう。ただし、「ドラフト1位の大学生、社会人選手=即戦力」とは限らない時代に入っていることは踏まえておきたい。たとえば、昨秋の1位指名は大学生と社会人の選手が10人を占めた。その中で今季の新人王争いに加わる活躍を見せているのは、西武・武内の1人と言っていい。これは即戦力選手の見極めに失敗したわけではない。「ドラ1」だとしても1年目からの活躍に過度に期待せず、数年後に中心選手になり得る素材かを判断して指名していると言える。

 あるスカウトは「近年、1年目から活躍できた新人は12球団で1、2人いるかどうか。上位指名の大学生でも即戦力の考えに縛られず、伸びしろを踏まえることが大切になる」と説明する。投手の平均球速の上昇などにより1軍のレベルが高まったことで、NPBとアマチュア球界の実力差が広がっていることなどが理由だと言う。実際にセ、パ両リーグで入団1年目の選手が新人王を獲得したのは、2017年の中日・京田、西武・源田を最後に6年間遠ざかる。1年目からNPBのレベルに対応することが容易ではなくなっていることは間違いない。

 新人を来季の戦力補強として期待したい場合は、社会人選手の経験値に期待することも一つの手となる。別のスカウトは「私は社会人野球を経験してからプロに入ったけど、都市対抗予選の緊張感を知っているかどうかはプロでの大きな助けになる」と明かす。2、3年後を見据えて大学生を重要視するか、より先の将来を見据えて高校生に重きを置くか。上位の選手でも、数年後のチーム編成を踏まて指名する傾向が強まるかもしれない。(記者コラム・河合 洋介)

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