Infoseek 楽天

ピース・又吉直樹 ベストセラーの「カギ」明かす 冒頭部分で意識することとは…

スポニチアネックス 2024年9月28日 18時0分

  お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(44)が28日、都内で行われた「TikTok Creator Summit Japan 2024」に出席。縦型ショートドラマ制作で人気のクリエイター集団「ごっこ倶楽部」とトークを展開した。

 2015年、デビュー作「火花」で第153回芥川賞を受賞するなど小説家としても活躍する又吉。ベストセラーを生み出した仕掛けは、自身の実体験に隠されていた。

 一読者として多くの作品と出合い、好きな作品の共通点は「共感があるかどうか」。合わせて「発見があるかどうか」だったと語る。「“すごい分かるわ”という共感だけでなく“言われてみれば自分もそんな風に考えたことがあるかも”という“刺激的な共感”。プラス“そういう考え方があるんだな”という発見」が作品の中に見つけることができると「この物語好きと思ってきた」という。

 「自分ができているか分からない…」と謙遜も、実体験を基にこだわりを持って「自分自身が書くときも、そういうものになっていれば良いな」と読者の潜在意識なる部分をくすぐり、多くのファンを引きつけてきた。

 また、カギが「冒頭2、3秒にある」ショートドラマと、小説は「真逆のときもあるかもしれない」と持論を語り始めた。

 「ちょっと難しく、読みにくさもあるような。複雑なものを複雑なものとして書く」小説は、わかりやすさやキャッチーさとは真逆なもの。「付き合うまで優しいのに、付き合ってからめっちゃ怖くなる彼氏嫌じゃないですか?頭でこういう作品だよと提示するという緊張感を持った、導入部分にする。読者が“買ったけどおもんなかったな”と、なりにくい仕組みを冒頭に作っておく」ことを意識しているという。

 読者が本屋で立ち読みした時に“面白くないな”と本を手に取らないことは「両者にとって幸運なこと」と笑った又吉。その理由は「僕一人が全ての小説を作れるとは思っていない」という気持ちを持っているから。「色んな小説家が色んなタイプの小説を書いている。今、僕が書いた導入部分と合わなかったら他の物を読んでもらって、タイミングが合うときに(又吉の作品を)読んでもらえたら良いな」と笑顔。「合う合わないを一番最初に。だまさないということ」を意識して、これからも小説の“火花”をともし続ける。

この記事の関連ニュース