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阪神・佐藤輝 甲子園CSから下克上だ!魂のヘッスラV三塁打「その(熱い)気持ちは今も変わらない」

スポニチアネックス 2024年9月30日 5時18分

 ◇セ・リーグ 阪神7―6DeNA(2024年9月29日 甲子園)

 阪神は29日、3位・DeNAを逆転で下し、連敗を3で止めるとともに2位を確定させた。4点劣勢の7回、佐藤輝明内野手(25)の逆転2点三塁打など4長短打で一挙5得点。前夜に球団初のセ・リーグ連覇を逃したショックを一掃し、10月12日に甲子園で開幕するクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)の前哨戦となり得る一戦を勝ち切った。森下、大山も打点を挙げ、中軸トリオのそろい踏みは今季13戦全勝となった。

 佐藤輝特有の糸を引くような鋭い打球が、左翼線で弾んだ。2―6で突入したラッキーセブン。近本の犠飛、大山の適時打などで3点を返し、なお2死一、二塁の逆転機で輝きを放った。伊勢のフォークを鮮やかに逆方向へ。筒香が試みた決死のダイブをあざ笑うように、白球は左翼芝を転々。大歓声に背中を押され、二塁を回って急加速。頭から三塁ベースへと突っ込んだ。

 「つないで、理想だったと思います。ヒットを打って(後ろに)つなぐ気持ちで(打席に)入りました」

 前夜、神宮で悪夢のV逸。天王山と位置づけられた23日巨人戦(甲子園)の「0―1敗戦」から、息切れのような3連敗を喫した。奇跡の連覇が手の届くところにあっただけに、悔恨を引きずるなというのが無理な話だ。

 この夜も6回までは東、中川颯の前に打線がつながらず5安打2得点。佐藤輝自身も2打席連続三振に倒れていた。活を入れてくれたのは、7回攻撃直前に響いた六甲おろしの大合唱――。2試合を残し、チームトップ14度目の勝利打点で決めた甲子園開催のCS。「日本一連覇」の第一歩へ「今できるベストをやっていく」と心は燃えている。ヘッドスライディングについても「その(熱い)気持ちは、始まったときから今も変わらずにやっているつもり」と言い切った。

 プロ4年目、主軸の責任感を垣間見る。今季は頻繁に投手の下へ足を運ぶ。ピンチの声掛けは言わずもがな、甲子園の試合前ウオーミングアップでも、投手陣が集う中堅付近で体をほぐすこともしばしば。27日広島戦、サヨナラ負けの痛打を浴びた村上の下へわれ先に駆け寄り、前日も2カ月半ぶりの1軍登板で精彩を欠いた浜地に言葉を掛けた。虎をけん引する意識の高さは本物。日本で一番アツい秋を過ごすには、攻守に佐藤輝の奮闘が不可欠だ。

 「(打撃は)凄く良い状態だと思う。あと2試合、頑張ります」

 再出発の141試合目に収めた4点差の逆転勝利は、今季最大かつ2度目の進撃だった。涙の夜はもう振り返らない。“下克上”を期す猛虎の中心には、背番号8がいる。 (八木 勇磨)

 ○…阪神はDeNAを破り、レギュラーシーズンの2位が確定した。4点劣勢から逆転勝ちは、7月7日のDeNA戦(甲子園)で5回表終了時の0―4から、9回に6―5で逆転サヨナラ勝ちして以来、今季2度目で最大得点差。相手も球場も前回と同じだった。

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