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阪神・岡田監督 甲子園最終戦零敗も収穫あり 快投した吉野に「(ノーヒッター)やられたと思ったよ」

スポニチアネックス 2024年10月1日 5時17分

 ◇セ・リーグ 阪神0ー2DeNA(2024年9月30日 甲子園)

 阪神は30日、今季レギュラーシーズン本拠地最終戦となったDeNA戦(甲子園)に0―2で敗れ、今季18度目の零敗を喫した。攻撃陣が8回まで無安打無得点。ノーヒットノーランを回避するのが精いっぱいだった中でも岡田彰布監督(66)は収穫を強調した。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)で対戦する可能性のある相手に喫した一敗をポストシーズンでの下克上に生かす。 

 甲子園でのレギュラーシーズン最終戦にはふさわしくない重たい空気が終盤まで聖地を支配していた。

 DeNA先発・吉野に序盤からテンポ良くアウトを重ねられ6回まで無安打に封じられ、継投に切り替わっても8回までHランプをともせず…。屈辱の今季2度目のノーヒットノーランがちらついた9回にようやく先頭の近本が初安打を放ったものの、試合は今季18度目の零敗を喫した。普段なら、怒り心頭でもおかしくなかった貧打での完敗も、試合後の岡田監督は笑みを浮かべる余裕すら見せ振り返った。

 「(吉野は)きょう良かったな。前(前回)フォアボール、フォアボールでな。(ノーヒッター)やられたと思ったよ。別にええけどなと思ったけど」

 負け惜しみの笑みではないだろう。8月3日の吉野との敵地での初顔合わせでは、森下の先制アーチなどで4回3得点と難なく攻略し、自軍のペースで試合を進めた。苦手意識も皆無の中で臨んだ一戦。まさかの苦戦だったが、この先を見据える指揮官は報道陣の「吉野の良い時を見られてよかったか」の問いに力強くうなずいた。

 「ええときのな。前回、めっちゃ悪かったんやな。ストライク入らんと」

 順位こそ確定していないが、このままいけば12日に初戦を迎えるCSファーストSでは現時点で4位に2差をつけるDeNAと対戦する可能性は高い。この2連戦でマッチアップしたエース・東はもちろんのこと、ほぼノーマークだった「吉野」の快投の残像は、ポストシーズンを勝ち上がる上でチーム、沈黙してしまった打線にとっても、大きな収穫になり得るだろう。

 この日、観客動員で19年以来5年ぶりとなる300万人を突破。年間通しての「大入り」を締めくくる節目の一戦は、フラストレーションをためる試合になったが、岡田監督は本拠地から再発進するポストシーズンで多くのファンを勝利に酔わせるつもりだ。

 試合後の本拠地最終戦のセレモニーでは、マイクを握らなかった指揮官。しびれる白星の数々を届けることが感謝の“メッセージ”だ。(遠藤 礼)

 ○…阪神は主催試合ラストの9月30日DeNA戦(甲子園)で観衆4万2620人。今季の主催72試合の入場者を300万9693人とした。300万人到達は19年の阪神と巨人以来5年ぶりで、新型コロナ以降では初めて。

 ○…甲子園では62試合で265万4423人。最多は4万7181人、最少が4万2501人。甲子園で全試合4万人超えは実数発表の05年以降で初。NPBに集計が残る50年以降でも初めて。

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