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ヤクルト・青木 引退試合で父子始球式…父の引退に涙こらえた長男、長男の投球に涙した父

スポニチアネックス 2024年10月3日 5時32分

 ◇セ・リーグ ヤクルト5―3広島(2024年10月2日 神宮)

 引退試合の始球式で、ヤクルト・青木宣親外野手(42)の長男(11)が神宮のマウンドに立った。村上が打席に立ち、野手陣が見守る中、捕手を務めたパパのグラブに力強い1球を投げ込んだ。息子を抱きしめた青木は涙をこらえられなかった。

 子供たちに今季限りでユニホームを脱ぐことを伝えたのは、先月13日に引退報道が出る2日前。夕食のテーブルを囲む中、元テレビ東京アナウンサーの佐知夫人が「パパから話があるから、みんな聞いて」と切り出した。青木が話し始めると、中学生の長女はすぐに泣いてしまったが、長男はご飯を食べながらうなずくだけだった。

 「引退が近いことは本人なりに感じていたと思います。必死に涙を我慢しながら受け止めている感じでした。その姿に成長を感じました」と佐知さんは話す。全ての話が終わり、しばらくしてから佐知さんに抱きついて大泣きしたという。

 長男は13年に米国で生まれた。メジャー6年間で7球団を渡り歩いた青木。中西部のミルウォーキーから始まり、西海岸、東海岸、カナダ…。全6地区に在籍した日本選手は青木だけだ。佐知さんはまだ幼かった子供2人とともに一緒について行き、慣れない街で生活した。移籍先が決まらない時は公園で子供たちが練習に付き添った。家族で戦った6年間でもあった。

 メジャー時代、長男はパパが野球選手であることは認識していても、メジャーリーガーとして活躍する姿はほとんど記憶にない。「息子の記憶に残るまで野球を続ける」ことは青木の一つの目標でもあった。小学1年生から野球を始めた長男はこの日の2安打をしっかり目に焼き付けた。

 引退セレモニーでは青木の希望で、青木本人から家族に花束が贈られた。どんな時も支え続けてくれた家族への感謝の思いがたくさん詰まったサプライズプレゼントだった。(甘利 陽一)

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