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阪神がCS前哨戦快勝 雨上がりのハマスタに惜別の「オカダコール」 2年連続日本一で花道だ

スポニチアネックス 2024年10月4日 5時19分

 ◇セ・リーグ 阪神3―1DeNA(2024年10月3日 横浜)

 阪神・岡田彰布監督(66)は3日、今季限りでの退任が表面化して迎えたDeNAとのレギュラーシーズン最終戦を白星で締めくくった。早大の後輩で22年現役ドラフトで獲得した“チルドレン”の大竹耕太郎投手(29)が5回無失点で11勝目を挙げ、プロ7年で初めて規定投球回に到達。12日に甲子園で迎えるクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)の前哨戦を制し、2年連続日本一へ弾みをつけた。

 雨上がりの横浜スタジアムに虎党から「岡田」「岡田」の声が起きた。普段の最終戦のねぎらいとは意味合いが違う。試合前に今季限りでの退任が明らかになった。66歳。横浜で見せるユニホーム姿は最後かもしれない。感謝と惜別の「オカダコール」に聞こえた。

 記憶に新しい昨年8月18日のDeNA戦。熊谷の二盗が京田にブロックされる形で失敗し、審判団に猛抗議した。結果として「ブロッキングベース」という新しいルール解釈を生み、今年から米大リーグでも採用された。そんな知将と闘将の両方の顔を発揮した場所でレギュラーシーズン最後の一戦を迎えた。

 言葉を発することなく球場入りし、勝利を収めても黙した。選手やコーチにも自らの去就を口にしなかった。12日開幕のCSに備えて練習を再開する6日に全体ミーティングを予定。その場で今後について伝えるとみられる。

 15シーズンぶりに阪神監督に復帰した昨季は18年ぶりリーグ制覇と38年ぶり日本一に導いた。優勝を意味する「アレ」は、ユーキャン新語・流行語大賞を受賞するほど、列島の注目を集めた。

 「選手との会話は采配を通してする」のがモットー。起用の意図、期待、叱咤(しった)激励を、オーダーや作戦で表現し、選手との直接対話は「コーチの仕事」として控えた。今季終盤はそのスタンスに変化が見えた。桐敷、石井、梅野、坂本ら選手の下に直接足を運び、メッセージを伝える機会が増えた。2リーグ制以降、球団初の連覇へチームを鼓舞した。

 あと一歩届かなかったものの、終盤まで優勝を争った2位は色あせない。04~08年の5年間と23年からの2年間。計7年間でつかんだ552勝は阪神監督では歴代最多を誇る。大きな功績に敬意を払い、球団も来季からポストを用意する。

 その前に最後の戦いは、まだ続く。リーグ連覇の可能性が消滅した翌日の9月29日には「これから、まだ1カ月ぐらいは野球をしたい」と日本シリーズまでの日々を思い描いていた。球団初の「2年連続日本一」が最後のミッション、そして、花道となる。(倉世古 洋平)

 ◇岡田 彰布(おかだ・あきのぶ)1957年(昭32)11月25日生まれ、大阪府出身の66歳。北陽(現関大北陽)では1年夏に甲子園出場。早大を経て79年ドラフト1位で阪神入り。80年新人王。85年に球団初の日本一に貢献。94年にオリックスへ移籍し95年限りで引退。1軍通算1639試合で打率・277、247本塁打、836打点。04年から08年まで阪神監督を務め、05年はリーグ優勝。オリックスでも10年から12年途中まで指揮。23年に阪神監督へ復帰し、18年ぶりリーグ優勝と38年ぶり2度目の日本一に導いた功績で正力松太郎賞を受賞。右投げ右打ち。

 【虎将最多552勝】○…岡田監督は阪神監督として通算552勝で、藤本定義の514勝を上回り球団最多。勝率.566は、阪神通算500試合以上では松木謙治郎の.567に次ぐ数字。オリックス時代を含む通算740勝はプロ野球歴代19位。

 ○…04年からの第1期と合わせて阪神監督在任7年は、吉田義男の8年に次いで松木謙治郎と並ぶ2番目の長さ。リーグ優勝2度は、1リーグ時代の石本秀一、若林忠志、2リーグ制以降の藤本定義に次いで球団4人目。

 ○…今季は67歳シーズンで指揮を執り、01年野村克也の66歳シーズンを上回る球団最高齢監督。

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