阪神の佐藤輝が、地の利を生かしてCSファーストS突破を期す。12日に幕を開けるDeNAとの決戦の舞台は、聖地・甲子園。チームは今季62試合で39勝21敗2分け、勝率.650を誇った本拠地で、虎党の大歓声も味方につけて一気に連勝突破を狙う。
「(ファーストSは)ホームでできるので、しっかりホームらしい戦いができれば。もう勝つだけ。それだけ目指してやれれば」
午前9時30分過ぎ。ビジネスマンが足早に行き交う新横浜駅で、25歳は力強く言い切った。甲子園での打率も、レギュラーシーズン打率・268を上回る・286と相性は悪くなく、何より慣れ親しんだグラウンドで戦える安心感がある。
「経験はあるので、しっかり勝ちたい」
甲子園でのファーストSは、新人だった21年以来2度目だ。当時、初戦は代打で1打数無安打、第2戦は「8番・右翼」で先制打を含む3打数1安打1打点。夏場以降の不調が尾を引き、自慢のバットも爆発には至らず、巨人に連敗した。3年前の悔恨も忘れていない。立派な主砲へ成長を遂げた今、逆襲への思いがほとばしる。
「(しっかり休む?)そうですね、はい」
前日3日に143試合の死闘を終え、チームはきょう5日まで連休を与えられた。今はゆっくりと羽を休め、大きく羽ばたく瞬間へと備えていく。(八木 勇磨)