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ドジャース・山本由伸 PS開幕投手!第2戦→5日の第1戦に変更 第5戦見据え中5日で登板可能

スポニチアネックス 2024年10月5日 1時30分

 ドジャースの山本由伸投手(26)がパドレスと戦う地区シリーズ(5回戦制)で当初先発予定だった第2戦から、1日前倒して5日(日本時間6日午前9時38分開始)の第1戦に変更になった。3日(同4日)、アンドルー・フリードマン編成本部長(47)が明かした。中5日で11日(同12日)の第5戦の登板を可能とする措置で、急転してポストシーズン(PS)の「開幕投手」を務めることになった。

 気温30度まで上昇したロサンゼルスの日差しの下で、山本は力強く右腕を振った。ドジャースタジアムの左翼ブルペンで、スプリット、カットボールなどを交え35球。3日後に控える6日(日本時間7日)のパドレスとの地区シリーズ第2戦に向けたブルペン投球かと思われたが、既に“別のプラン”が動き始めていた。

 アンドルー・フリードマン編成本部長が会見で「由伸を初戦、ジャック(フラーティ)を第2戦に先発させることにした」と突如、明言した。報道陣のどよめきが止まらない中、「万が一、第5戦があった場合に選択肢に柔軟性を持たせたい。由伸は(中4日の)登板間隔に慣れていないが、ジャックは慣れている」と続けた。

 右肩腱板損傷から復帰間もない山本はまだ中4日の登板は難しく、第2戦に登板すると、第5戦に投げられない。だが、初戦に登板すれば2日間の移動日を含めて中5日を空けて第5戦に登板でき、中4日のフラーティを含めて第5戦は総力戦が可能になる。

 パ軍とは同じ地区で争い優勝こそ勝ち取ったものの、直接対決は5勝8敗で負け越した。相手は後半戦の勝率・683はメジャートップで、ワイルドカードシリーズもブレーブスに連勝し危なげなく勝ち上がってきた。下馬評ではパ軍有利とみる声も多い。第5戦までもつれる可能性は十分あり、勝って勢いをつけたい初戦と、負ければ終わりの最終戦も含めて任された。

 ダルビッシュとのPS初の日本先発投手の投げ合いは消滅したが、これで地区シリーズでは2試合で登板可能になる。5回2失点で復帰後初勝利を挙げた9月28日のロッキーズ戦後、初のPS登板に向けて「全力を尽くして、とにかく勝つために、勝つことだけを考えて投げていけたら」と語っていた。オリックス時代から何度も大舞台を踏み、CSと日本シリーズは計8試合に投げて4勝2敗、防御率2・97。19年プレミア12、21年東京五輪、23年WBCと侍ジャパンの国際大会3連覇にも貢献してきた。

 相手は3月21日のデビュー戦で1回5失点KOを食らった宿敵。2度目の対決となった4月12日も5回3失点でチームは敗れた。6月まで順調に6勝を挙げた一方、故障で3カ月の離脱も経験した1年目。最後にこれ以上ない大役が託された。(柳原 直之)

 ≪“大役”日本選手5人目≫ポストシーズンの「開幕投手」を任される日本投手は5人目。最多は2度のパドレス・ダルビッシュで、レンジャーズ時代の12年のワイルドカードゲーム(オリオールズ戦)と、22年のメッツとのワイルドカードシリーズ第1戦に先発した。以下は1度ずつで、99年メッツの吉井理人がダイヤモンドバックスとの地区シリーズ第1戦に先発。15年ヤンキースの田中将(現楽天)がワイルドカードゲーム(アストロズ戦)、20年にツインズの前田(現タイガース)がアストロズとのワイルドカードシリーズ第1戦に先発した。

 ≪選手全員で“決起集会”≫ドジャースの選手たちは1、2日の練習後にパドレス―ブレーブスのワイルドカードシリーズ第1戦、第2戦を観戦する「ウオッチパーティー」を本拠地の「ダッグアウトクラブ」(VIP用レストラン)で実施した。大谷、山本を含む選手全員が参加し、内野手ロハスは「夕食を取り、ゲームをして、いろいろな会話をした。世界一になるには最高のチームにならないといけない」と説明。救援右腕フィリップスは「こういう“余分”と思われるような時間を一緒に過ごすことが本当に重要」と語った。

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