◇プロボクシング59・8キロ契約 尾川堅一(帝拳)《KO4回1分4秒》アラン・アルベルカ(フィリピン)(2024年10月5日 後楽園ホール)
元IBF世界スーパーフェザー級王者・尾川堅一(36=帝拳)が3度のダウンを奪う完勝で約1年1カ月ぶりに勝利を飾った。
開始数秒でいきなり会場を沸かせた。1回、最初に出したワンツーでいきなり相手からダウンを奪うと、3回にも左ボディーで2度目のダウンを演出。4回には強烈な右ボディーで、もん絶する相手に10カウントを聞かせ「最初のワンツーで終わったら楽だった」と笑みを浮かべながら、「最後の右もしっかり入ったし、練習したパンチが出せた。落ち着いて自分のやりたいボクシングができたかな」と約13カ月ぶりの勝利に安堵(あんど)した。
昨年9月のマービン・エスクエルド(フィリピン)に判定勝利後はリングから遠ざかり、「この1年は苦しかった」と振り返りながら「久しぶりだったがコンディションは良かった。今回は自信があった」と笑顔で声援に応えた。
尾川は22年6月、英カーディフでジョー・コーディナ(英国)に2回KO負けしIBF王座から陥落。それでも世界再挑戦を見据える36歳は「チャンスは早ければ早い方がいい。いつでもいける体はつくっている。どんな条件でも話をもらえれば米国でもブラジルでもどこへでも行く。ラストチャンスでどんな形でも獲りたい。息子たちにもう一度ベルトを見せたい」と静かに先を見据えた。