野手17人枠を奪いにいく――。ソフトバンクの“ギータ2世”こと笹川吉康外野手(22)が本紙のインタビューに応じ、ポストシーズン初出場への強い決意を明かした。4年目の今季は1軍初昇格を果たし、プロ初本塁打を記録。9月末に再昇格すると3試合連続安打をマークし、小久保裕紀監督(52)がクライマックスシリーズ(CS)の戦力候補として名前を挙げた。みやざきフェニックス・リーグ(7日開幕)でも猛アピールして“大逆転”のCS出場を狙う。
――5日に出場したファーム日本選手権は4打数1安打1盗塁だった。
「状態としてはまあまあ。足(二盗)でもいけました」
――7日から始まる、みやざきフェニックス・リーグでの意気込みは。
「結果を残したいです。またアピールして魅せていきたいです」
――宮崎での結果が16日からのCSファイナルSの野手17人枠にもつながる。
「CSに出られたら最高です。大逆転狙いでいきたいです」
――CSを突破すれば、日本シリーズもある。4年目で初のポストシーズン出場に向けては。
「行けるなら、必ず行きたいと思っています」
――ポストシーズンのような短期決戦の印象は。
「ま、さ、に、ガチですよね」
――9月30日のオリックス戦で1軍に再昇格し、同日から3日の楽天戦まで3試合連続スタメン出場して毎試合安打を放った。3戦で打率・400、1打点、1盗塁で今季を終えた。
「やっぱり1軍の舞台は最高ですよね。緊張もなくいけるようになった。まずはそこが大きい」
――再合流してからの活躍に小久保監督もCSの戦力として期待を寄せた。
「いやいや、まだまだだと思っています」
――10月1日のオリックス戦では二盗にも成功。俊足もアピール中だ。
「あれはグリーンライトっすね。行けるときにいく。常に行けるようにしています」
――師匠・柳田選手と同日の1軍昇格だった。2軍での絡みは?
「柳田さんとはほとんど野球の話はしません。主に、日常会話です。特別な話はなくて、僕が“こう思うんですけど”などと思ったことをぶつけて教えていただく感じです。ありがたいです」
――今季は6月に1軍初昇格し、同15日の阪神戦でプロ1号を放った。翌16日の同戦出場後は2軍。見直した点とは。
「1軍でホームランを打ってから少し無茶振りしていた。大振りをしていたけど、体を振らずに手を使って振るようになった。手で“しばく”感じになってから、チーム打撃も確実にできるようになってきました」
――スイングスピードの速さに加えてパワーも増した。公称95キロだが、現在の体重は。
「96、97キロまで増えた」
――今季は1軍で7試合に出場。振り返ると。
「まだ出場数は少ない。今のところ守備のミスも少なかった。ミス出たら困るんですけど。まだ、これから課題も出ると思う。打撃の状態も万全な、いい状態ではないです」
――2軍では113試合に出場して打率・257、7本塁打、54打点。リチャードとともに打点王のタイトルを獲った。
「そこは最高です。意識はしていなかったが頑張ってきた」
――昭和芸能が好きらしいが、最近のマイブームは。
「音楽は変わらず加山雄三さんを聞いています。“海 その愛”は、いいですよ。映画は“静かなるドン”のシリーズを見ようかなと考えていますが、まだ見ていませんね」
――では、宮崎で頑張ってきてください。
「大逆転狙いで!」
≪「2番・中堅」で二盗も決めた≫この日、笹川はDeNAとのファーム日本選手権に「2番・中堅」でスタメン出場した。初回、4回、6回といずれも投ゴロに倒れたが、8回に左前打を放った。走者入れ替わりで一塁に残った初回には二盗を決めて足でもアピール。三盗も仕掛けて失敗に終わったが、積極的な姿勢を見せた。
◇笹川 吉康(ささがわ・よしやす)2002年(平14)5月31日生まれ、神奈川県出身の22歳。西前小3年から野球を始め、横浜商では1年春からベンチ入りも甲子園出場なし。高校通算40本塁打。20年ドラフト2位でソフトバンク入団。今季は2軍で自己最多の113試合に出場し、打率.257、7本塁打、54打点で初の打点王に輝く。6月には1軍に初昇格し、同15日の阪神戦でプロ初本塁打を放った。1メートル93、95キロ。左投げ左打ち。