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パドレス・ダル ドジャース大谷封じでタイ勝貢献7回1失点「頭のいい選手なので一球一球反応見ながら」

スポニチアネックス 2024年10月8日 1時33分

 ◇ナ・リーグ地区シリーズ第2戦 パドレス10―2ドジャース(2024年10月6日 ロサンゼルス)

 パドレスのダルビッシュ有投手(38)が6日(日本時間7日)、ドジャースとの地区シリーズ(5回戦制)の第2戦に先発し、7回3安打1失点で勝利投手となった。負ければ王手をかけられる正念場で大谷翔平投手(30)を3打数無安打に抑え、日本選手最多タイのポストシーズン(PS)5勝目。敵地で今季最多5万4119人の大観衆の重圧もはね返し、1勝1敗で決戦の舞台は本拠ペトコ・パークに移る。

 5万人を超える敵地の観衆にも、想定外の中断にも心が乱されることはない。ダルビッシュは最大のミッションである“大谷封じ”を含め、自ら立てたゲームプランを遂行していった。7回3安打1失点で元ヤンキースの田中将大(現楽天)に並ぶポストシーズン日本人投手最多の5勝目。1勝1敗とする大きな白星をもたらした。

 「一人一人に集中して投げられた。(対大谷は)頭のいい選手なので、凄く考えながら、一球一球、反応を見ながら投げていた」

 負ければ突破に王手をかけられる正念場でも、38歳は冷静だった。初回は先頭・大谷に徹底した内角攻めで最後は外角スライダーで空振り三振。続くベッツの大飛球は左翼プロファーがフェンス際で好捕するなど3者凡退に抑えた。2回無死満塁も犠飛による最少失点でしのぐ。リズムの良い投球が打線の援護を引き出し、対大谷にも余裕が出る。3回は外角低めにスプリットを制球して一ゴロ。6回はフルカウントから73マイル(約117キロ)のカーブで完全に泳がせ、投ゴロに斬った。

 昨春WBCでともに世界一を奪還した大谷との大舞台での対戦。「セットに入ってから長く持ったり(左)足を上げている時間を変えたり、工夫した」と変幻自在の投球で打ち気をそらした。前日の初戦では3ランを放った大谷、ベッツ、フリーマンのド軍が誇るMVPトリオを計8打数無安打に抑えた。

 ハプニングにも動じなかった。7回の投球練習中、プロファーと左翼席のド軍ファンが言い争い、グラウンドにゴミなどが投げ込まれる異常事態に。約10分も中断したが、軽めの投球練習を行うなど集中は維持した。「あんなことは経験したことがなかった」という異様な雰囲気の中で無失点に抑えると直後の一塁ベンチ内で異例の円陣が組まれる。「汚い言葉でした」と苦笑いで振り返ったが、マチャドの集中を促す魂が込められた言葉でナインは一丸となった。

 ダルビッシュは「凄く大きい。(1勝1敗で)サンディエゴのファンの前で野球ができるのは」と言葉に力を込める。同じドジャースタジアムで初戦を落とし、2戦目を自身の登板で制したのは22年の地区シリーズと全く同じ。その時は第2戦から3連勝でド軍を下した。ムードは最高潮。ペトコ・パークで、2年前の再現を狙う。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪大谷との通算対戦成績は8打数1安打≫ダルビッシュと大谷は今年3月20日に韓国ソウルで行われた開幕戦で初対決。初回無死一塁ではツーシームで遊ゴロ。3回2死では大谷が同じツーシームを右前打した。2度目の対戦は4月14日。ダルビッシュは大谷を3打数無安打2三振に封じ「モチベーションを凄く感じる」。5月12日の登板の際は大谷が腰の張りで欠場。3打数無安打だったこの日を合わせ、通算では8打数1安打の打率.125で3奪三振。

 ▼パドレス マイク・シルト監督 ダルビッシュは素晴らしく、大谷を含めて全ての打者に期待通りの投球だった。最後まで集中して7回まで投げ抜いてくれた。

 【ダルビッシュと一問一答】

 ――昨日から普段以上に落ち着いているように見えた。

 「今日も起きてから全く緊張もなかった。なぜか分からないけど、もう38歳なんでガチガチに緊張はしていられないというか、そういうところです」

 ――初回、ベッツの大飛球を左翼プロファーがフェンス際で好捕した。

 「完全に入ったと思った。ラッキー」

 ――7回の投球前にファンと一部選手のトラブルで約10分間の中断があった。

 「あんなことは経験がない。とにかくこのイニングに点を与えないこと。流れが変わってしまうかもしれなかったので、それは凄く意識した」

 ――2年前のドジャースとの地区シリーズも第2戦で勝利投手となり、そこからチームは3連勝。

 「それは分からないが、クラブハウスの雰囲気は凄く良い。いい方向にいけばいいと思っている」

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