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松坂大輔氏 ダルに見た“変化球の魔術師”の神髄 大谷との対戦全15球中14球…6球種低めに集めて幻惑

スポニチアネックス 2024年10月8日 1時33分

 ◇ナ・リーグ地区シリーズ第2戦 パドレス10―2ドジャース(2024年10月6日 ロサンゼルス)

 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】「変化球の魔術師」の神髄を見た――。元西武の松坂大輔氏(44=スポニチ本紙評論家)が6日(日本時間7日)、ナ・リーグ地区S第2戦を取材。ドジャース・大谷を3打数無安打に封じて勝利投手となったパドレス・ダルビッシュの投球術にうなった。全15球で6種類の球種を投げ込み、直球はわずか1球だけ。変化球攻めで大谷を封じた右腕の絶妙な投球を分析した。

 ダルビッシュ投手の攻め方を見て、やはり大谷選手を一番警戒していると感じました。3打席、計15球で直球は1球だけ。特に変化球を多投して相手のタイミング、間合いにならないよう、18.44メートルを挟んだ頭脳戦が展開されていましたね。

 第1打席。2球目にカーブを投じました。これがアクセント。前日、パ軍投手陣は高めの力のある直球で大谷選手に力勝負を挑みましたが、自分もこの日は緩いボールが有効では、と思っていました。スイーパーも含めて5球は全て別の球種。パ軍バッテリーの意図は、いかに大谷選手に打席で考えさせられるか。お互いの探り合いが垣間見えました。

 第2打席は一転、4球のうち3球がスプリット。いずれも高さを間違えず、最後もいい高さに落としました。一ゴロに打ち取った4球目は1打席目に三振を奪ったのと同じ外角低め。スライダーからスプリットへと球種を変えて、コースは同じ。非常に有効でした。

 6回の第3打席は、初回に1球だけ投じたカーブに回帰します。初球、3球目にカーブ。試合後に「反応を見ながら投げた」と言っていましたが、相手の狙いを察知する能力が高い。フルカウントからの6球目は自ら首を振ってカーブを選択。投ゴロに打ち取りました。大谷選手の頭には一番なかった球種でしょうし、逆にダルビッシュ投手は自信があって選んだはずです。

 前日と違い、大谷選手のベルトから上には3打席で1球もなし。全てレベルの高い変化球を自在に操り、低めに集める。さすが、の投球で圧勝劇を呼び、チームに勢いをもたらしたと思います。(スポニチ本紙評論家)

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