関西学生アメフト1部リーグで4戦全勝の立命大が8日、滋賀県草津市で練習を公開。1敗で迫る関大との大一番(14日、たけびし)へ向け、DL水谷天空(そら、4年)が恩返しの白星を期した。
「関大戦に臨む気持ち? 感謝しかないですね。高校の人たちにも成長した姿を見せたい」
言葉に力を込めたラインの要は、ライバルの系列校となる関大一高出身。大学で教職課程を取り、アメフトにも打ち込むため、キャンパスとグラウンドが隣接する環境を選んだ。教師を志したのは、高校時代のアメフト部を指導した水村龍哉監督の存在が大きい。「人間的な部分でも、尊敬しかない。あんな先生になりたい、と思った」。その恩師も、そして関大一高のチームメイトも、水谷の「決断」を尊重し、快く背中を押してくれた。
決戦で相対する関大QB須田啓太主将も、その一人。「須田君は中学の時から知っていて、いろんな悩みを打ち明けたり、立命へ行く時も応援してくれた」。もちろん、フィールドへ向かう時は、感傷を胸の中にしまいこむ。「特別な感情を持たないように、やりきりたい」
今年9月に教育実習で母校に戻り、体育教師になる夢に大きく近づいた。次は甲子園でプレーする悲願をたぐり寄せるため、全力で司令塔に襲いかかる。