◇フェニックス・リーグ ソフトバンク10―5日本ハム(2024年10月8日 アイビー)
打撃2冠コンビが4発競演――。ソフトバンクの山川穂高内野手(32)とリチャード内野手(25)が8日、みやざきフェニックス・リーグの日本ハム戦でアベックアーチを描いた。リチャードが3本塁打でクライマックスシリーズ(CS)出場を猛アピールし、山川も4回に豪快な2ラン。1、2軍でともに本塁打、打点のタイトルを獲得した両大砲が、小久保裕紀監督の53歳の誕生日にド派手な祝砲を打ち上げた。
沖縄が生んだ総重量221キロの右のW大砲が見事な競演だ。背番号「52」の5番・リチャードが号砲を鳴らせば、同「25」で師匠の4番・山川も負けじとアーチ。さらにリチャードは2打席連発で主役となった。
「凄かった。いつもああやって打てばいいのに、と思ったけど。とにかく素晴らしい」
山川は弟子の3発を称えた。まずは0―2の2回1死、リチャードが日本ハム先発・根本の初球、真ん中直球を引きつけて強振。打球は両翼100メートルのアイビースタジアムの右翼芝生席に舞い降りた。
1―2の4回無死一塁で山川がシャープなひと振りで続いた。根本の内角低め直球を上から叩くようにスイング。低いライナー性の当たりはバックスクリーン左に届く逆転2ランとなった。「打球が低かったんで越えるかなと思ったけど入ったので良かった。結果はそんなに」。フェニックス・リーグ参戦初日から1本塁打2打点と貫禄を示した。
リチャードの勢いは止まらない。3―3の6回1死一塁で内角高め直球を左中間へ2ラン。7回2死一塁では追い込まれながらも右越え2ランを叩き込んだ。「山川さんの打席での攻められ方を見て、勉強して打席に入った」と学習して結果を残した。
この日は小久保監督の53歳のバースデーだった。きょう9日からフェニックス・リーグを視察予定。祝砲を3発も打ち上げたリチャードだったが、「打ててうれしいけど、今日視察に来ると思っていて。明日か…。また明日、打たないといけない」とキャラ全開のコメント。3発5打点はCS出場の野手17枠入りへ猛アピールになり、「CSに出られるならば、全力で結果を出す、やり切るだけ」と力を込めた。
ともに本塁打、打点のタイトルを獲得したパ・リーグ2冠の山川とウエスタン・リーグ2冠のリチャード。16日のCSファイナルS開幕へ向けて活気づく4発競演となった。 (井上 満夫)